金魚の寿命に関して、種類別の年数や寿命を延ばす方法まで紹介しています。
金魚を飼育したい!と考えた時に、どうしても気になってしまうのが、「いったい何年生きるのか?」ですよね。
金魚の寿命は30年です!と言われると、どんなに可愛い金魚でも少し身構えてしまいます。。。
かといって、メダカのように最長2年です!というのも、なんだか考えもの。
一体、金魚の寿命は何年くらいなのでしょうか?
この記事では、「金魚の寿命とその兆候、1日でも長く寿命を延ばす方法」に関してわかりやすくまとめています。
これから金魚を飼育しようとしている方だけでなく、
既に金魚の飼育を初めて、いろいろな種類の金魚を飼育しているあなたの疑問を、
わかりやすく解決できる内容にしました。
ぜひ、今日からの金魚飼育の参考にしてください。
この記事では、投稿の最後に、薬浴や塩浴に便利な濃度計算表(自動計算)へのリンクを掲載しています。
誰でも完璧な濃度で薬や塩の量の計算ができます。ぜひご利用ください。
金魚の平均寿命
金魚の寿命は、一般的に他の観賞魚より長いとされており、平均して5年〜12年ほどです。
金魚をお迎えする際は、種類によりますが、「最低でも5年」は生きる可能性があることを考えておきましょう。
金魚の祖先は日本の河川にも生息するフナであり、数百年かけて人の手で品種改良がされてきました。
改良の結果、祖先であるフナの原型を留めていない品種も存在し、種類によって寿命も異なります。
金魚の種類と寿命の関係
先ほど、金魚の平均寿命は5年〜12年ほどと紹介しました。
5年と12年というと、2倍以上の開きがあり、どうしてこんなにも差が開いているのか、疑問に感じた方も多いはずです。
実は金魚の寿命は、種類によって大きく異なります。
大別すると、祖先のフナに形が似ている金魚すくいの定番、和金やコメットなどの「長物」と呼ばれる品種は寿命が長く、
フナとは似ても似つかないらんちゅうやピンポンパールといった「丸物」と呼ばれる品種は寿命が短い傾向にあります。
品種改良を重ねられた結果、らんちゅうやピンポンパールは、祖先のフナと比べると臓器の構造が弱かったり、細菌に対する耐性も低いことが原因です。
既に飼育している方や、これから金魚の飼育をする方向けに、金魚の種類別のおおよその寿命を紹介していきます。
種類別!金魚の寿命
金魚の寿命を種類別に紹介しています。
金魚を新しくお迎えをする上でとても重要な知識ですので、ぜひ参考にして下さい。
和金
寿命の長さ:10年以上
お祭りでの金魚すくいの金魚の代表的な存在である和金は、たくさんある金魚の種類の中でも、最も寿命が長いです。
10年以上生きる個体も多く、大きさは最低でも15センチ以上になります。
寿命が長い理由として、「丈夫で病気になりにくいこと」があげられます。
とても丈夫な和金ですが、金魚すくいで流通しているお祭りの金魚は持ち帰ったタイミングで既に病気や寄生虫に感染している個体も多く、
お迎え時に適切な対処をする必要があります。
金魚すくいの金魚(和金)の飼育方法はこちら
コメット
寿命の長さ:10年以上
コメットも和金と同じく、寿命がとても長い金魚です。
適切な飼育を継続することで、最低でも5年、長い個体では10年を超えて大きくなり続けます。
ヒレが長いことから、大きさは和金よりさらに大きくなり、20センチを超えることも珍しくありません。
カラーの種類も豊富で、丈夫で飼育しやすいことから、金魚飼育の入門としておすすめの種類です。
出目金
寿命の長さ:8年〜10年
出目金の寿命も、和金やコメットと同じく、比較的長い傾向にあります。
このあと紹介する琉金と同じく、金魚の中では比較的丈夫で飼育がしやすいです。
大きさも3、4年以上飼育すると15センチを超え、20センチ以上になる個体も存在します。
和金やコメットと比較すると、金魚ならではの病気の発症率は高く、長生きさせるためには知識が必要です。
金魚の病気の種類に関してはこちら
出目金に関してはこちら
琉金
寿命の長さ:8年〜10年
琉金も出目金と同じく、寿命は金魚の中でも長く、飼育もしやすい丈夫な品種です。
ヒレが長い種類が多いことから、最大で20センチ以上に成長します。
長く飼育するためには、病気に関する知識や薬浴、塩浴の知識は必要ですが、初めての金魚飼育にもおすすめできる種類です。
水泡眼
寿命の長さ:5年〜10年
水泡眼の寿命は、琉金に比べてやや短く、5年以上生きれば長生きな個体になります。
祖先のフナからは品種改良が進み、丈夫さでも和金やコメットには大きく劣ります。
この後紹介するオランダ獅子頭や、らんちゅうもそうですが、長生きさせるには金魚飼育専門の知識が必要です。
ちなみに、ほっぺの水泡は割れても命に別状はありません。
水泡眼の飼育方法はこちらで紹介しています。
オランダ獅子頭
寿命の長さ:5年〜10年
オランダ獅子頭の寿命は、飼育が上手な方でも5年ほどが目安です。
体型が細めの日本オランダや、ジャンボオランダなどは寿命が長く、体型が丸いショートテールタイプやバルーンタイプは寿命が短い傾向にあります。
丸めの個体は和金やコメットに比べて転覆病の発症率が高く、寿命を短くする要因になっています。
ここまで来ると祖先のフナの面影はなく、丈夫さや寿命も全く異なります。
らんちゅう
寿命の長さ:4年〜6年
初心者から達人まで、日本中でたくさんのファンが存在するらんちゅうですが、意外にも寿命は長くありません。
上手に飼育したとしても、寿命は5年ほどが目安です。
細菌性の病気や転覆病の発症率が高く、他の品種に比べて飼育難易度は高めです。
長生きさせるには、金魚飼育に関する網羅的な知識と経験が必要になります。
薬浴や塩浴の正しいやり方は必ず押さえておきましょう。
金魚の塩浴の正しいやり方はこちらに詳しく紹介しています。
らんちゅうの飼育方法と注意点はこちらです。
ピンポンパール
寿命の長さ:3年〜5年
ピンポンパールの寿命はらんちゅうよりさらに短く、5年生きれば長寿です。
まんまるな体型は品種改良が進んだ証であり、日本の冬を冬眠して越すことができません。
長生きさせるためには、冬はヒーターを設置し、加温を行う必要があります。
感染症や転覆病の発症率も非常に高く、長生きさせるためには温度管理と素早く適切な処置を行う必要があります。
ピンポンパールの飼育方法に関してはこちら
最も長生きした金魚
金魚の中で最も長生きした金魚の記録は、43年ほどと言われています。
これはギネス記録にも認定されているため、非常に珍しい事例ですが、
その他の記録でも20年以上生きた金魚の記録は多く、そのほとんどが和金やコメットです。
世界的にも、これらの種類の金魚の寿命が長いことがうかがえます。
金魚は寿命を全うするのか
ここまで、金魚の寿命に関して紹介をしてきました。
寿命としては10年以上生きる個体も多い金魚ですが、そのほとんどが寿命を全うすることはありません。
当メディアは日頃から数多くの金魚の飼育に関する相談を受けていますが、これまで一度も「老衰」で寿命を全うした金魚とその飼い主に出会ったことがありません。
多くの金魚が、寿命を全うする前に、感染症や寄生虫症で命を落とします。
これらは、飼育者の飼育方法によってある程度コントロールできるものであり、金魚の寿命は飼育者次第で長くもなれば、短くもなると言えます。
ここからは、金魚の寿命を1日でも長くするための、飼育で気を付けるポイントを紹介していきます。
どれも基本的な金魚飼育の知識ですので、必ず一読し、知らなかった内容は参考にするようにしてください。
購入時の年齢と寿命
種類別の金魚の寿命を紹介してきましたが、ここで重要なのが購入時の金魚の年齢です。
寿命が比較的長い、和金や琉金であればそれほど気にする必要はありません。
ですが、寿命の短いらんちゅうや、ピンポンパールといった金魚の場合は要注意です。
大きく、立派に育った金魚は迫力がある分、高額であり、飼育にはそれなりの環境が必要です。
お迎えしたらんちゅうが既に3歳である場合、残された寿命も必然的に短くなります。
小さな金魚には、これからどう育っていくかがわからないリスクがありますが、
大きく、立派に育った金魚には、余命が短いかもしれないリスクがあることを理解しておきましょう。
金魚の寿命の兆候
金魚の寿命の兆候として「明らかに動きが鈍くなる」ことが挙げられます。
病気になる頻度が多くなることも、寿命の兆候です。
同じ種類の金魚でも、寿命は個体によって大きく異なります。
金魚の病気の多くは治療することができます。
寿命を延ばす上で、病気の治療は避けて通れません。
【金魚の病気に関してはこちらで詳しく紹介しています】
金魚の寿命の延ばし方
金魚の寿命を1日でも長く延ばす方法を、注意点とともに紹介しています。
金魚の寿命は、飼育者の飼育スキルによって大幅に増減します。
寿命に関係するポイントを学ぶだけで、飼育スキルは向上し、結果として飼育している金魚の寿命も長くなります。
ぜひ参考にしてください。
水質と寿命の関係
水質を安定させることは、金魚の寿命を延ばす上で必ず必要です。
水質が不安定だと、フンや食べ残しの多い金魚は、すぐに水質を悪化させます。
水質の悪化は即、感染症などの病気につながります。
代謝やエサを食べる量にも直結するため、金魚を元気に、長く育てるのであれば、金魚と水に対する理解は必ず必要です。
金魚と水に関してはこちらにまとめています。
水温と寿命の関係
水温の変化も、金魚の寿命に直結します。
なぜなら金魚は急激な水温の変化に非常に弱いからです。
多くの金魚飼育者が、泣く泣く金魚とお別れするのも、春と秋に集中します。
これらの季節は気温の変化が激しく、安定しないため、金魚も体調を大きく崩しやすいです。
水温の変化にいかに敏感に対応できるかも、金魚を数年単位で飼育する上では必ず必要なスキルになってきます。
金魚と水温に関してはこちらにまとめています。
エサと寿命の関係
毎日のエサの種類や与える量と、金魚の寿命も密接に関係しています。
よくおすすめされている「増大」をうたったエサは特に、タクパク質の含有量が多い分、早く大きくなる反面、金魚の内臓に与える負担は非常に大きいです。
エサの量も、食べさせれば食べさせるほど早く大きくなる反面、転覆病と言われる難病の発症率が高まります。
金魚の寿命を長く、元気に育てるには基本にのっとった餌やりの知識が必要です。
金魚のエサやりの方法に関してはこちら
転覆病とエサの関係はこちら
ストレスと寿命の関係
金魚も人間と同じく、ストレスを感じる生き物です。
金魚にとってのストレスとは、水槽の狭さや直射日光、突然の物音などが該当します。
ストレスができるだけ少なくなるよう、水槽を設置する場所には注意が必要です。
病気と寿命の関係
金魚は病気になる生き物です。
ほとんどの金魚が寿命を全うできない理由が、病気によって命を落とすからです。
水質の悪化や水温の変化、移動の疲れなど、さまざまな要因で金魚は病気になり、命を落とします。
品種改良を重ね、人に育てられてきた金魚は、自然界の魚類と異なり、病気にとても弱く、自力で治ることはほとんどありません。
飼育者は、病気の内容を適切に判断し、最適な治療方法と薬で治療する必要があります。
金魚の病気の予防方法や見分け方、種類に関してはこちらにまとめています。
お祭りの金魚に関して
お祭りの屋台にいる、金魚すくいの金魚に関して、多くの方が「寿命は長い」という印象を持っています。
確かに、お祭りの金魚すくいで持ち帰った金魚が10年生きたという話は珍しくなく、この記事を読んでいるあなたも、幼い頃に経験したことがあるかもしれません。
ですが実はそれは珍しいケースで、ほとんどの場合、お祭りの金魚すくいの金魚の寿命は長くありません。
理由としては、金魚すくいの金魚はすくうために用意されており、育てるために管理されていないからです。
持ち帰った金魚の状態にもよりますが、金魚すくいの金魚は、適切な手順を踏むことで長く飼育することが可能です。
金魚すくいの金魚を持ち帰った直後からの飼育方法はこちらにまとめています。
お迎え時のトリートメントが命!
最後に、金魚の寿命を長くする上で、最も重要な飼育テクニックを紹介します。
そらは、お迎え直後のトリートメントです。
新しく金魚をお迎えしたタイミングは、移動の疲れに加え、環境、水質など全てが急激に変化するため、
金魚は強烈なストレスから調子を崩しやすくなっています。
金魚をお迎えしても、毎回2ヶ月ほどでさよならをしてしまう方は、ほとんどの場合でお迎えのタイミングで失敗しています。
どんなに元気そうな金魚であっても、飼育を開始する前に必ず疲れを癒し、環境に慣れさせてあげる必要があります。
金魚のトリートメントの基本的に方法に関してはこちらにまとめています。
ぜひ、参考にしてみてください。