金魚のお腹がパンパンに膨らむ症状について、原因と対処方法を紹介しています。
飼育している金魚のお腹がパンパンに膨らむことは、意外とよくあることです。
らんちゅうやオランダ獅子頭、ピンポンパールといった、丸い形の金魚だけでなく、和金やコメットといった細長い金魚でも、飼育しているとお腹がパンパンになってくることがあります。
金魚のお腹が膨らむ症状には、いくつかの原因があり、それぞれ症状をしっかりと観察して原因を適切に見分ける必要があります。
今回は、飼育している金魚のお腹がパンパンに膨らんで、どうしようかと不安な日々を過ごしている方にとって、最適な情報をお届けします。
これまで同じような経験をして困った方にとっても今日から役立つ飼育知識をお伝えします。
この記事では金魚のお腹の画像の紹介に、ツイッター、インスタグラムの投稿をピックアップし、金魚のお腹がパンパンに膨らんだ画像を閲覧できるようにしております。
また投稿の最後に、薬浴や塩浴に便利な濃度計算表(自動計算)へのリンクを掲載しています。
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金魚のお腹がパンパンに膨らむ原因
金魚のお腹がパンパンに膨らむ原因に関して紹介しています。
膨らむ原因は、大きく分けて5通りで、それぞれ遭遇する確率が高い順番で記載しています。ぜひ参考にしてください。
産卵前の抱卵
産卵前のメスは、お腹がふっくらと膨らみます。
お腹が膨らむだけでなく、産卵の直前になると動きがゆっくりとなり、目を離すとあまり動かなくなることが多いです。
オスの金魚と一緒に飼育している場合は、追いかけ回されることが多くなります。
抱卵でお腹がパンパンに膨らんでいる特徴として、メスの金魚であること、左右対称に膨らんでいること、横見で体型が縦に伸びるほどパンパンになっていないこと、が挙げられます。
卵詰まり
産卵前のメスが何らかの原因で卵を産卵できず、体内に卵が溜まることでお腹がパンパンに膨れあがります。
卵詰まりの特徴としては、通常の抱卵時よりも明らかにパンパンに横にも縦にもお腹が膨れることが多いです。
卵巣の肥大化
卵巣が何らかの原因で肥大化している時も、お腹がパンパンに膨れます。
肥大化の原因は炎症だったり、腫瘍ができたりと様々です。
メスの金魚特有の症状であることから、卵詰まりと判別がしづらいですが、特徴として左右どちらかに膨らみが偏ることが多いです。
左右均等にパンパンになっている場合は卵詰まりを、どちらか片方が膨らんでいるときは卵巣の肥大化を疑いましょう。
内臓の炎症
内臓が炎症している時も、金魚のお腹が膨らむ時があります。
炎症により体内に水が溜まることが原因です。
内臓の炎症でパンパンに膨らんでいるときは多くの場合、松かさ病を発症しています。
フン詰まり(腸満)
金魚の腸内にフンが溜まっている時も、お腹が膨らむことがあります。
餌の消化不良が原因で起こることが多く、消化不良は餌の種類や量を変更し、適切な治療を行うことで解消することが可能です。
腸満ではよく、ココア浴やクロレラの給餌が実施されるのも、溜まったフンの排出を促すためです。
ですが多くの場合、フン詰まりでパンパンになるほどお腹が膨らむことは珍しく、多くは内臓の炎症や卵詰まりが原因です。
パンパンに膨らんだ時の対処方法
金魚ならお腹がパンパンに膨らんだ時の対処方法を紹介しています。
どれも体内の臓器の異常によるところが大きいため、明確な治療方法や治療薬は存在しません。
ですが多くの飼育者の実体験から、効果があった対処方法を紹介しています。
産卵前の抱卵
産卵前の抱卵への対処方法は「塩浴」が挙げられます。
個体によって産卵の兆候が出ているにも関わらず、中々卵を産まずに、長い時は産卵まで2週間ほどかかることがあります。
0.3%ほどの薄めの塩浴で、できるだけ普段の水質調整の負担を減らしてあげることで、安全な産卵を促すことができます。
⬇︎【金魚の抱卵に関してはこちらの記事で詳しく紹介しています】
卵詰まり
卵詰まりを起こしている場合も、抱卵しているときと同じく、塩浴で対処されることが多いです。
場合によっては腹部を指で圧迫することで、産卵を強制的にさせる処置がされることもありますが、よほど慣れた方でないと難しいです。
塩浴とは対照的に、エプソムソルト浴を行うことで「排泄」を促し、産卵を促す方法も実施されています。
⬇︎【エプソムソルトの使用や金魚の卵詰まりに関してはこちらの記事で紹介しています】
卵巣の肥大化
卵巣が肥大化している場合も、まず塩浴の処置が取られることが多いです。
肥大化の要因が腫瘍である場合は、残念ながら金魚は外科手術ができないために対処方法はありません。
ですが炎症である場合は、この後紹介している内臓の炎症に該当するため、薬浴や薬餌によって治療にトライすることができます。
内臓の炎症
内臓が炎症している場合、金魚の多くはお腹がパンパンに膨らむだけでなく、力無く浮いたり、沈んだりすることが多いです。
松かさ病を併発していることも多く、至急、塩浴と薬浴の実施が必要です。
松かさ病は内臓の炎症が要因であることから、治療がとても難しい病気ですが、100%治らないわけではありません。
詳しくはこちらの記事で紹介しています。ぜひ参考にしてください。
糞詰まり(腸満)
フン詰まり(腸満)の場合、お腹が膨らむ原因は「餌の消化不良」餌であることが多いです。
1週間ほどの餌抜きと、消化にいい餌への切り替え、餌やりのタイミングと量を見直す対処が必要になります。
消化不良による腸満が続くと、消化器官が炎症し、転覆病や、松かさ病に発展します。
⬇︎【金魚の消化不良に関してはこちらで詳しく紹介しています】
お腹がパンパンでひっくり返る症状
金魚のお腹がパンパンになり、うまく泳げず、ひっくり返るような症状の場合があります。
このような症状は転覆病と呼ばれており、発見次第すぐに適切な治療が必要です。
ひっくり返った金魚はひっくり返りながらも餌を求めてきますが、今後の治療を円滑に行う上で餌は邪魔になります。
心を鬼にして「まず餌抜き」を行いましょう。
その後の具体的な治療方法はこちらの記事で紹介しています。
金魚がひっくり返ったら、まず確認するようにしてください。
お腹が赤いとき
お腹がパンパンに膨れているだけでなく、お腹に赤い擦り傷のような怪我が発生することもあります。
これは怪我ではなく、細菌性の感染症であり、病名を赤斑病といいます。
赤斑病は治療方法が確立されており、塩浴と薬浴を行うことで治療が可能です。
⬇︎【赤斑病に関してはこちらで詳しく紹介しています】
お腹が赤いことに加え、パンパンに膨らんでいる場合は注意が必要です。
最近の感染が体内の臓器に広がり、松かさ病を発症している場合があります。
松かさ病かどうかは金魚を上から見ることで、ほとんどの場合判断可能です。
⬇︎【松かさ病に関してはこちらで詳しく紹介しています】
お腹がパンパンなのは異常!原因を特定しよう!
金魚のお腹がパンパンになることは、意外にもよくあることです。
抱卵の場合を除き、パンパンに膨れている時点で、なんらかの異常が金魚の体内で起こっています。
原因を適切に見極めることで、少しでも金魚の負担を減らしてあげましょう。
みなさまが大切な金魚と、1日でも長く大切な時間を過ごせるよう、これからも発信を続けていきます。