金魚を飼育していると、さけては通れない「水換え」。
金魚の水換えに関しては、ありとあらゆる方法が紹介されていて、一体何が正しいのかわからなくなった経験はありませんか?
今回は、日々実際に金魚の飼育を行なっている中でたどり着いた、「金魚の水換えの正しい考え方」を紹介します。
一般的によく言われている水換えの常識と、照らし合わせながらまとめています。
金魚をよく死なせてしまったり、今の水換え方法に疑問がある方はぜひ、この記事をご覧ください。
この記事では、記事内の写真の紹介に、みなさんのインスタグラムでの投稿をピックアップし、飼育の参考になる金魚の水が画像を閲覧できるようにしております。ぜひ、お楽しみください。
また投稿の最後に、金魚の薬浴や塩浴に便利な濃度計算表(自動計算)へのリンクを掲載しています。
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ここからは、「金魚 水換え」と検索すると多くの記事とともに、紹介されている水換えの心構えの中から、初心者が行うと危険な対応をピックアップしてまとめています。
あなたのこれまでの水換えの常識が変わるかもしれません。
ぜひ、ご覧ください。
- 水換えの頻度
- 水換えはバクテリアの減少に気をつける
- 底砂は入れたほうがいい
- フィルターは必須
水換えの頻度は少ない方がいい
水換えを行うと、水質が急激に変化してしまうため、水換えはできる限りしないほうがいい(しないでいいような環境を整える)といった記載が多いです。
中には、環境を整えて、水換えをほとんど行わずに飼育するような紹介もありますが、これは一般的な金魚飼育の紹介としては、大間違いです。
金魚ではなく熱帯魚の中には、新水と呼ばれる「新しい水」を好まない種類も存在します。
そういった品種には、水換えをできる限り少なくして飼育を実施するような方法が推奨されます。
ですが金魚の場合は、数百年以上に渡り「人とともに生活してきた」歴史的な背景もあり、「新しい水」が大好きです。
むしろ、人と同じで古い水に対する耐性があまりありません。
金魚は特に、他の観賞魚と比較をしても、食べる量もフンの量も多いため、水換えを少なくするどころか、可能な限り水換えの頻度を多くした方が成長も早く、調子も良いというのが正しい心構えです。
金魚の水換えの頻度は、多いほど良いです。
できるだけ小まめに水換えを行うことを心がけるだけで、金魚は驚くほど元気に、大きく育ちます。
金魚の水換えはバクテリアの減少に気をつける
確かに水槽内のバクテリアの存在は非常に重要です。
大規模な水替えを行ってしまうと、このバクテリアが急激に減ってしまうため、金魚が調子を崩すといった内容の記載が見られますが、これは半分正解で、半分間違いです。
水槽内のバクテリアの量と、金魚の体調とには直接的な関係はありません。
日々大量の排泄を行う金魚にとって、バクテリアが存在するメリットは、排泄物中の有害なアンモニアを比較的無害な亜硝酸に分解する効果だけです。
本来、フンそのものの分解もバクテリアが行うことができますが、よほど広い環境に少ない数を飼育していない限り、フンの増える量とバクテリアの分解スピードが追いつかず、水が腐敗します。
金魚を病気にしてしまったり、死なせてしまったりするほとんど全ての原因が、この水の腐敗です。
アンモニアに関しても、こまめに水換えを行うだけで物理的に除去可能です。
バクテリアの量の維持よりも、「水」そのものの質の維持の方がはるかに重要です。
金魚の飼育が本当に上手な方ほど、潔癖すぎるくらいに水の鮮度にこだわっています。
フィルターも、カルキを抜いた水で頻繁に洗浄し、腐敗したゴミを流しとります。
水槽という限られたスペースに、金魚という水を汚しやすい魚を飼育する場合、バクテリアに頼れる効果はほとんどないということを覚えておきましょう。
底砂は入れた方がいい
底砂はフィルターと同様、バクテリアの繁殖のために必要だという意見がありますが、こちらは「必須ではない」というのが正解です。
底砂を敷く最大のメリットは、バクテリアの増殖にあります。
通常、熱帯魚やメダカの飼育だと、底砂まで沈下したフンやエサの食べ残しはゆっくりとバクテリアに分解されるため、水質の維持に繋がります。
ですが金魚の場合は、排泄物の量が非常に多いため、底砂に定着しているバクテリアが分解するよりも早く、蓄積してしまいます。
蓄積してしまうと底砂の中に酸素がいきわたらなくなり、バクテリアは死滅し、水質も急激に悪化します。
底砂は存在しないほうが、ろ過フィルターがダイレクトにフンを吸い取ることができることに加え、特に、大きめの45センチ以上の水槽だと、飼育者の水換えも簡単になります。
45cm以上の水槽だと頻繁に持ち上げることは難しい(45cm水槽で50キロ以上になります)ため、底砂に溜まったゴミをきれいに取り除くことも難しくなります。
熱帯魚の水換えで使用される「濾過ホース」では、金魚が排泄する量の排泄物は取りきれません。
勘違いしがちなポイントであるため、底砂を入れるなら、毎週カルキを抜いた水で透明になるまで洗浄できるかどうかを自分に問いかけましょう。
底砂を敷かないほうが水換えの労力も減り、結果として水換えの回数も増やしやすいことから、このサイトでは金魚の飼育において「底砂は敷かない」ことをおすすめしています。
フィルターは必須
フィルターに関しては、よほど専業で金魚の飼育や繁殖を行っている方でない限り、導入したほうが良いというのが答えになります。
ではなぜ、間違いポイントとして紹介しているかというと、フィルター導入の理由でよく紹介されている「ろ過バクテリア」を繁殖させ、不純物の分解を促すといった内容が過剰な場合が多いからです。
排泄物の多い金魚の飼育では、ろ過バクテリアによる不純物の分解は期待できるものの、長期間には及びません。
よく金魚飼育で利用されているスポンジフィルターの現実的なメリットとしては、一か所にフンや食べ残しなどの不純物が集まることで、掃除がしやすくなることが挙げられます。
フィルターに集まった不純物をまとめて除去できるため、フィルター無しでの飼育よりも格段に水槽の掃除が速くなります。
掃除のしやすさは金魚が暮らす環境の質に直結しますので、「掃除機」のような意味合いでのフィルターの設置は非常に有用です。
外部フィルターや上部フィルターを使用し、バクテリアによる生物濾過を促す方法ももちろん重要です。
ですがとはいっても、金魚飼育において熱帯魚のように「半年間フィルターの掃除をしない」や、「水換えを全く行わずに飼育」などといったことは不可能です。
何度も言いますが、金魚飼育においてもっとも重要な要素は、バクテリアではなく「新鮮な水」です。
水換えを維持しながらであれば、こちらの記事で紹介しているフィルターを使用すれば、水はピカピカに、水質もしっかり保つことができます。ぜひ、参考にしてください。
金魚の水換えの正しい考え方は、ズバリ、「水を新しい状態に保つこと」です。
バクテリアの維持では決してないということを認識し、水換えを徹底するようにしましょう。
逆に言うと、水換えさえ徹底していれば、バクテリアやろ過器のことはそれほど気にしなくても、元気に金魚を育てることができます。
熱帯魚やメダカの飼育とは全く異なる、人とともに生活してきた金魚ならではのポイントです。
これまで、お迎えして数ヶ月で金魚が病気になってしまったり、残念ながら死んでしまったりしていた方は、ぜひこの機会に「新鮮な水」を意識して金魚を飼育してみてください。
きっと、これまで見られなかった元気な金魚の姿を見ることができるはずです。
金魚の具体的な水換えの方法や注意点に関してはこちら