金魚の黒くなる症状と原因に関して、病気なのかどうかや、黒斑病(黒点病)や黒ソブなどといった、黒い点やシミができる症状と合わせて紹介しています。
金魚を飼育していると、ある日突然、真っ赤だった金魚の一部が黒くなっていることがあります。
体表だったり、ヒレだったり、場所は様々なのですが、突然黒くなると、いかにも病気になったようで怖くなりますよね。
ある程度成長した金魚は、赤色が白色になるように、色が抜ける(脱色)ことはあっても、赤色が黒色になるような色がつくことはありません。
ということは、金魚が黒くなるのは何かの病気なのでしょうか?
今回は、金魚が黒くなる症状に関して、確認されているものを全てまとめています。
金魚が黒くなる症状は必ず解決できます。
おうちの金魚が突然黒くなった方はぜひ、この記事を参考にしてください。
この記事では、記事内の写真の紹介に、ツイッター、インスタグラムの投稿をピックアップし、金魚の黒斑病(黒点病)、黒ソブの写真を閲覧できるようにしております。
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金魚が黒くなるのは病気なのか?
先ほど、ある程度成長した金魚は「色がつくことはない」とお伝えしました。
では、金魚が突然黒くなるのは病気なのでしょうか。
答えは、基本的に金魚が黒くなる症状は「病気ではない」です。
金魚の体表に黒い点や黒いシミができて黒くなる症状はいくつか存在しますが、
どれも病気ではなく、命に関わるようなものではありません。
金魚に黒い点やシミができて黒くなる症状
金魚の体表に黒い点やシミができて黒くなる症状は、大きく分けて二つ存在します。
一つ目は「黒斑病」と呼ばれており、室内飼育であれば通念を通して遭遇する可能性のある病気です。
二つ目は「黒ソブ」と呼ばれており、主に冬季に屋外で飼育している金魚が発症しやすい症状です。
ここではそれぞれの症状と原因、治療方法を紹介していきます。
黒斑病(黒点病)
黒斑病は、金魚の体表やヒレの一部が、すすがついたように黒くなる病気です。
黒斑病と言われるため、本記事でもどうしても「病気」と表現をしていますが、正確には病気ではなく、「病気が治ったあと」です。
黒斑病(黒点病)の原因
黒斑病(黒点病)の原因ははっきりとわかっており、金魚が白雲病という寄生虫症になり、回復している過程において寄生されていた部分が黒くなることで発症します。
白雲病は、繊毛虫である「キロドネア」や「トリコディナ」、鞭毛虫である「コスティア(イクチオボド)」などの目に見えないとても小さな寄生虫が、大量に金魚の体表に寄生することで発症します。
金魚は体液を吸われるため、体表に寄生した寄生虫に対抗するために、大量の粘液を出すため「体表がモヤモヤとした白いものでおおわれる」ことからこの名がつきました。
この白雲病が完治し、寄生していた寄生虫がいなくなった箇所がカサブタのように黒くなっているのが「黒斑病(黒点病)」の正体です。
ですので黒斑病の原因は、金魚が白雲病に感染し、完治してきているということになります。
黒斑病(黒点病)の治療方法
黒斑病を見つけたときの治療方法ですが、基本的には存在しません。
なぜなら、黒くなっている時点でその箇所は白雲病が完治しているという証であり、そのまま放置することで黒い箇所は自然と消えていきます。
白雲病の治療過程において頻出する黒斑病ですが、治療をおこなった覚えがない場合は、軽度の白雲病を金魚自身が自力で治した可能性が高いです。
金魚の白雲病に関してはこちらに詳しくまとめています。ぜひ参考にしてください。
黒ソブ
黒ソブも黒斑病と同じく、金魚が黒くなる症状です。
違いとしては、黒斑病は体表やヒレなどの全身どこにでも発生することがあるのに対し、
黒ソブは主にヒレの先に発生しやすいことが挙げられます。
黒ソブの原因
黒ソブの原因も寄生虫の寄生です。
具体的には「ジプロストマム」と呼ばれる寄生虫が金魚のヒレに寄生することによって黒くなります。
この寄生虫の寄生は冬の水温が著しく低いタイミングで確認されており、藻類が繁殖した青水で冬眠をさせている際によく発生します。
ですがジプロストマムの寄生は金魚に特段害はなく、季節が春に向かい、水温が上昇していけば自然と黒ソブは消えていきます。
黒ソブの治療方法
黒ソブの治療方法ですが、こちらも明確な治療方法は存在しません。
水温が低下している際に発生しやすい(高水温だと発生しない)症状ですので、水温が上がれば自然と消えて無くなっていきます。
冬季に金魚屋さんに行くと、屋外飼育されている個体や水温が低い状態で飼育されている個体には「黒ソブ」が見られることがあります。
これも、特に気にする必要ありませんので、安心して金魚を選んでください。
そのほか金魚が黒いケース
黒斑病(黒点病)と黒ソブの紹介をしましたが、金魚が黒くなる(なっている)ケースは他にも存在します。
具体的には、金魚の元々のカラー(柄)が、「キャリコ柄」や「パンダ柄」と呼ばれる場合です。
この場合は、金魚の体表の一部が元々黒くなっているため、特にお迎えしたてのタイミングだと予想外の箇所が黒くなっていることもあり、驚きやすいです。
金魚の黒い模様が消えるとき
金魚の黒い模様が消えることを、「色抜け」と呼びます。
これは黒斑病や黒ソブとは関係なく、元々パンダ柄などで黒い色だった箇所が、赤や白に色変わりすることを指します。
対策として、水槽や飼育ケースをなるべく黒くしたり、底砂を真っ黒なものに変更する方法が有名です。
金魚は保護色という機能をもちいて、自分の体表の色を濃くしたり、薄くしたりすることができます。
そのため、できるだけ黒いスペースで金魚を飼育すると、黒い色は黒いまま残りやすくなります。
金魚が好む水質を維持できる黒い砂利は、実は市販されているものはほとんどなく、色抜け対策にはこちらの商品がおすすめです。
金魚が黒くなるのは元気回復の証!
金魚が黒くなるのは、基本的に全て「寄生虫症からの回復の証」です。
そのため、ベテランの飼育者は金魚が黒くなっていることに対してはほとんど気にしないことが多いです。
白雲病(稀に尾ぐされ病でも)の治療をおこなっていた際は、治療が無事成功した証でもあります。
金魚が黒くなる症状は、何も問題ない状況ですが、体色と関係なく一部分が「白く」なったり、
傷ついたように「赤く」なっている場合は要注意です。
黒くなっている時のように放置すると、100%悪化するため、病名を突き止め、適切な治療を開始する必要があります。
金魚が白くなっている場合はこのような病気が考えられます。
金魚が赤くなっている場合はこのような病気が考えられます。
どれも放っておくと命に関わる、非常に危険な病気ですので、症状を見分けて治療を行うようにしてください。
みなさまの黒くなってしまった金魚が、無事元の色に戻り、一日でも長く皆様との時間を過ごせることを祈っております。