金魚の尾びれの充血の症状と治療方法をわかりやすく紹介しています。
金魚を飼育していると、尾びれの筋が突然赤く充血することがあります。
特に春や秋の気温変化が大きい季節に起こりやすく、それまで綺麗だった尾びれが突然充血し、血走っている様子に、不安になる方も多いと思います。
金魚の尾びれが充血することは意外にも、よくあることです。
ですが充血といっても、水換えと塩浴だけで治療できるものから、早急に薬浴が必要なものまで、様々な種類があります。
金魚の充血は、症状を適切に判断して治療ができれば、確実に完治できます。
今回は、金魚が充血して不安なあなたにとって、最適な情報をお届けします。ぜひ、最後までご覧ください。
この記事では金魚の充血の画像の紹介に、インスタグラムの投稿をピックアップし、金魚の充血の画像を閲覧できるようにしております。
また投稿の最後に、薬浴や塩浴に便利な濃度計算表(自動計算)へのリンクを掲載しています。
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金魚の充血
金魚は体調を崩すと、体のさまざまな部位が充血します。
金魚の充血といえば、尾びれの充血がよく取り上げられますが、体表や口、時には目が充血することもあります。
充血している部位によって、原因は異なり、治療の緊急度も大きく異なります。
充血は金魚からの体調不良のサインです。
充血の症状と原因を的確に判断し、適切な治療を行うようにしましょう。
部位別! 充血の症状と原因
充血の症状と原因を、充血が発生している金魚の体の部位別に紹介しています。
原因の紹介の後に、それぞれの治療方法も記載しています。ぜひ参考にしてください。
体が充血しているとき
金魚の体が充血する症状にも、いくつかの種類があります。
充血の範囲と、面積に注意して観察するのがコツです。
赤い斑点や擦り傷が複数発生している
赤い斑点が全身に散りばめられていたり、少し広い面積で擦り傷のような赤い傷が発生している場合、赤斑病で間違いありません。
金魚はよっぽどのことがない限り、自分から障害物にぶつかって傷つくことはありません。
金魚は体表を鱗で覆われており、障害物に当たって鱗が剥げることはあっても、体表が傷つくとこは稀です。
傷ついたとしても、患部は赤くはならず、白くなります。
赤い時点で赤斑病か、後述する穴あき病であることがほとんどです。
赤い斑点が一点だけ発生している
赤い斑点が一点だけ、顔や体表に発生している場合、穴あき病を発症している可能性があります。
充血した箇所の鱗が浮き上がっていたり、穴が空いて体内が露出している場合、間違いなく穴あき病です。
前述した赤斑病も、穴あき病も、原因は水質の悪化であることがほとんどです。
水質の悪化は、トリートメント剤や活性炭では防げません。
唯一、水換えだけで解消することができます。
⬇︎【金魚の正しい水換えの方法はこちらで紹介しています】
尾が充血しているとき
金魚の充血で、最も発生頻度が高いのが「尾びれ」です。
理由としては、尾びれが充血する原因がたくさん存在することが挙げられます。
それぞれ、症状によって原因は大きく異なるため、尾びれの充血は慎重に診療する必要があります。
ここでは詳細な症状とともに原因を紹介しています。
尾びれに赤い斑点が発生している
尾びれの充血の中で最も多いのが「尾びれに赤い斑点」が発生する症状です。
一見すると充血している斑点は、怪我をしたように見えますが、これは「赤斑病」と呼ばれる細菌性の感染症です。
赤斑病は水質の悪化による金魚の抵抗力の低下により発生し、治療が遅れると死に至る病気でもあります。
尾びれの筋が血走っている
赤斑病のように斑点状に赤い点々が発生しているのではなく、尾びれの筋に沿って赤い線が発生し、
血走っているような症状の場合、金魚は体調を崩しかけています。
原因は主に、「水質の悪化(による抵抗力の低下)」と「冬季の水温の低下」です。
水質の悪化だけでなく、高齢化による抵抗力の低下によって起こることも多いです。
赤斑病や、松かさ病と併発することもあります。
水温が低下し、冬眠状態になっている冬季に発生することも多く、冬眠中は金魚の抵抗力が大幅に落ちることが原因です。
尾びれの一部が溶けている
尾びれの充血している箇所が白く濁り、尾びれの一部が溶けている場合、金魚は尾ぐされ病を発症しています。
尾ぐされ病でも、軽症の場合は充血はほとんど見られませんが、重症の場合は充血を併発します。
少しでも尾びれが溶けている=尾ぐされ病で確定ですので、すぐに治療を始める必要があります。
写真)尾ぐされ病による尾びれの充血の画像
口が充血しているとき
金魚の口だけが充血している場合、口ぐされ病を発症している可能性が高いです。
口ぐされ病は、尾ぐされ病の原因菌が口に感染することが原因で発症します。
口は餌を食べるためになくてはならない器官ですので、早急に適切な治療を行う必要があります。
目が充血しているとき
目が充血しているときは、尾びれの血走りと同様に金魚の体調が良くないサインです。
体調不良の理由は様々ですが、まず確認すべきは充血が目以外の箇所でも発生していないかどうかです。
目だけで発生している場合は、金魚が何らかの理由で体調を崩し、抵抗力が低下しているため、回復に専念させる治療を行う必要があります。
原因別! 充血の治療方法
先ほど紹介した金魚の充血の症状別に、治療方法を紹介しています。
より詳細な治療方法が学べるリンクを掲載しています。ぜひ治療の参考にしてください。
赤斑病
金魚の充血の症状が赤斑病である場合、塩浴と薬浴が効果的です。
⬇︎【赤斑病の治療方法はこちら】
穴あき病
金魚の充血の症状が穴あき病である場合も、赤斑病と同様に塩浴と薬浴が効果的です。
⬇︎【穴あき病の治療方法はこちら】
血走り
金魚の充血の症状が血走りである場合、塩浴が効果的です。
全身をくまなくチェックした上で、血走り以外の症状が見られない場合は迷わず塩浴を実施しましょう。
⬇︎【血走りの治療方法はこちら】
尾ぐされ病
金魚の充血の症状が尾ぐされ病である場合、薬浴を行う必要があります。
この時、塩浴や加温は必ずしも行う必要はありません。薬浴を優先するようにしてください。
⬇︎【尾ぐされ病の治療方法はこちら】
目の充血や異常
金魚の充血の症状が目だけに発生している場合、血走りと同様に塩浴が効果的です。
塩浴をしながら経過を観察するようにしましょう。
⬇︎【塩浴の方法はこちら】
充血に効果のある薬
金魚の充血に効果のある薬を紹介しています。
充血が起こっている際に、薬浴を行う必要があるのは「赤斑病」「穴あき病」「尾ぐされ病」の大きく3つの病気を発症している場合です。
これら3つの病気の全てに効果がある薬をここでは紹介しています。
グリーンFゴールド顆粒
グリーンFゴールド顆粒は薬効が非常に広く、尾ぐされ病、赤斑病の特効薬です。
初期の穴あき病にも効果は認められていますが、確実に穴あき病だと判断できている場合は「グリーンFゴールドリキッド」や「観パラD」の使用もおすすめします。
⬇︎【グリーンFゴールド顆粒に関してはこちら】
エルバージュエース
エルバージュエースも、赤斑病や穴あき病に効果のある治療薬です。
カラムナリス菌への効果も記載されており、そのまま尾ぐされ病の原因菌ですので、尾ぐされ病にも強い治療効果があります。
充血している金魚がまだ元気に動き回っている場合、迷わずこちらの薬を使用することをおすすめします。
⬇︎【エルバージュエースに関してはこちら】
充血が治らない時
充血はその原因が感染症でない場合、塩浴などの適切な治療を行なっても、すぐには治らないことが多いです。
ここでは金魚の充血を治療しても治らない場合の対処方法を紹介しています。
- 水換えを行う
- 薬浴を行う
水換えを行う
充血が治らない時は、まず水換えを行いましょう。
塩浴中の飼育水は、悪化スピードが飛躍的に早くなります。
同濃度の塩水での水換えを行うことで、飼育水を清潔に保ちながら治療を継続しましょう。
⬇︎【金魚に特化した正しい水換えの方法はこちら】
薬浴を行う
充血で意外に多いのが、血走りだと思っていたら「赤斑病」や「尾ぐされ病」だった、という状況です。
血走りが発生した直後には症状として現れていないものの、治療を行なっている過程で発症していることが多いです。
赤斑病の場合は稀に、かなり末期まで体表に症状として現れないこともあるため、長時間血走りが続くようなら一度薬浴を行うことも検討しましょう。
⬇︎【金魚の薬浴の方法に関してはこちら】
金魚の充血を上手に治療しよう!
金魚の充血は、その多くが塩浴や薬浴によって治療することが可能です。
適切な治療はもちろん大切ですが、「充血が起こった原因」をしっかりを把握するためにも、これまでの飼育環境を振り返る必要があります。
充血の多くは金魚の体調不良によって起こり、体調不良の多くは水質の悪化が原因です。
日常の水換えの水量や使用しているフィルター、餌の頻度と量など、基本的な部分を我流ではなくしっかりと振り返るようにしてください。