すべての金魚好きのための金魚メディア

金魚の消化不良と転覆病に関して|胃腸の調子を整えよう

金魚の消化不良と転覆病の治療方法

金魚の消化不良と転覆病に関して、具体的な治療方法を記載しています。

金魚の転覆病の治療でよく聞くココア浴や、クロレラの与え方に関しても、こちらの記事で詳しく紹介しています。

今回は、金魚の転覆病の治療で悩んでいる方や、金魚の消化不良に関して詳しく知りたい方にとって最適な情報をまとめています。

ぜひ、最後までご覧ください。

この記事に関して

この記事ではインスタグラムの投稿から、金魚の転覆病や消化不良の画像を閲覧できるようにしています。

また投稿の最後に、金魚が転覆病になった時に実施する薬浴塩浴に便利な濃度計算表(自動計算)へのリンクを掲載しています。

誰でも完璧な濃度で薬や塩の計算ができるので、ぜひご利用ください。

金魚の消化不良と転覆病の関係

金魚が転覆病になる原因として、最も多いのがエサの消化不良です。

金魚は他の観賞魚とは異なり、人の手で品種改良を重ねて生み出されたため、先天的に消化器の弱い個体が多いです。

言い方を変えると、多少消化器官に問題があっても、見た目や形を重視して品種改良がされてたということです。

特に体型が丸い、らんちゅうやオランダ獅子頭、ピンポンパールといった品種は、転覆病の発症率が非常に高いです。

コロコロした愛くるしい体型の代償として、腸の構造や機能に異常が多いためと言われています。

そのため、市販のエサがどうしても胃腸に合わず、結果として消化不良が起こってガスが溜まったり、うまく排泄が出来なかったりして、転覆病を発症してしまうケースが多いです。

このような理由から、どんなに丁寧に、慎重に飼育を行っていても、転覆病になるときはなってしまいます。

転覆病の原因はたくさんありますが、「消化不良由来」の転覆病である場合、治療し回復させることが可能です。

発症を未然に防ぐことよりも、起こった直後にどう対応するかによって、大切な金魚の生存率を大幅に上げることが可能です。

消化不良由来の転覆病の症状と見分け方

これまで転覆病関連の記事でも紹介してきたように、金魚の転覆病には、消化不良以外に、細菌性の感染症浮き袋などの臓器の異常も原因になります。

一見すると、どちらも金魚が水面に浮いているだけの病気である転覆病の中から、どうやって「消化不良」由来の転覆病を見分ければいいのでしょうか。

ここではまず初めに、金魚の転覆病が「消化不良」によって起こっているのかどうかを見分ける方法から紹介していきます。

金魚の転覆病の原因

金魚の転覆病の原因が消化不良だとわかる、唯一にして確実な方法があります。

それは、「エサやりをやめると元に戻る(少しでも回復してくる)」かどうかです。

人間と違い、金魚は自分が消化不良を起こしているかどうかが分かりません。

そのため、金魚は目の前にいい匂いのエサがあるとどうしても食べてしまいます。

ですが胃腸は消化不良を起こしているため、食べれば食べるほど消化不良は進行し、転覆病もみるみる悪化します。

反対に、エサを食べないでお腹の中の消化不良のエサが少しづつ排泄されれば、消化するものがなくなるため、転覆病もひとまず収まります。

とにかくエサやりを止めてみて、転覆病が少しでも回復しそうな場合、それが消化不良由来の転覆病の見分け方になります。

金魚の消化不良のサインと症状

消化不良由来の転覆病には、完全に転覆してしまう前に、消化不良を起こしているサインが必ずあります。

消化不良が回復したかどうかをきちんと判別するためにも重要なサインです。

ぜひ、確実に覚えて今日からの金魚飼育に生かして下さい。

白い透明なフンをしている

白い透明なフンをしている場合、その金魚は間違いなく消化不良を起こしています。

人間で言うところの下痢と同じような症状であり、目視でわかる消化不良の症状の中では重症の部類に入ります。

空気を含んだフンが浮いている

空気(泡)が入り、浮いているフンも消化不良のサインです。

金魚の水槽に、泡のような空気の玉が入ったフンがある場合、水槽内の金魚が消化不良を起こしかけています。

このようなフンはろ過器の種類にもよりますが、水面に浮くことからろ過されにくく、水質の悪化にもつながりやすいです。

前述した白い透明なフンと併発することも多く、金魚が消化不良になっているのを見抜く重要なサインです。

細く長いフン

細く長いフンは、白いフンや浮いたフンに比べると健康ですが、消化不良を起こしかけている状況です。

本来、金魚のフンは太くて短いのが健康の証です。

細く長いフンは、何らかの原因で消化に時間がかかっている結果、排泄と消化を同時に行なっているため発生します。

決して健康とはいえない状況ですので、エサの変更や飼育環境の見直しをおすすめします。

⬇︎【金魚のフンに関してはこちらで詳しく紹介しています】

エサを食べるとじっとしている

重度の消化不良から、転覆病を起こしかけています。

エサを食べて転覆病になる場合、金魚が元気なうちはフンを排泄すればほとんどが元に戻ります。

ですが消化不良が続くと、多くの金魚は体力を落とし、排泄そのものが難しくなります。

多くの消化不良由来の転覆病は「消化不良なのにエサを与え続けられる」ことで発症します。

エサを食べるとぼーっとして、少し時間を置いたら浮かんだフンとともに元気になっている、、、。

この状態では、適切な対処をしない限り、金魚は確実に消化器官を痛め、転覆病だけでなく様々な病気を併発します。

⬇︎【金魚の消化不良とエサに関してはこちらに詳しくまとめています】

金魚の消化不良と転覆病の治し方【基本編】

金魚の消化不良と転覆病に対する治療法を紹介しています。

個体の生まれながらの消化器官の強さも関係するため、確実に治るとは言い切れません。

ですが、消化不良を発症している段階で、適切な処置を行うことにより、悪化や転覆病の発症を最小限に食い止めることができます。

お家の金魚が消化不良かもしれない場合は、ぜひこれから紹介する方法を実施してみてください。

水換えを行う

金魚が消化不良の疑いがある場合、真っ先にしなければならないのが「水換え」です。

水換えには、金魚の新陳代謝を促す働きがあります。

消化不良が起こっている水槽の水質が悪い場合、金魚は水分の吸収もうまくできていません。

新鮮で新しい水に換えてあげるだけで、金魚は水分の吸収と排泄を活発に行います。

よく水換え直後に金魚がフンをするのも、水換えによって新陳代謝が良くなったためです。

水換えは、消化不良の治療の第一歩になります。

エサやりをストップする

お家の金魚が消化不良になっている場合、まずエサやりをストップしましょう。

普段からきちんとエサやりが行われている金魚であれば、2週間ほど絶食が続いても全く問題ありません。

むしろ、消化不良を発症しているにも関わらずエサやりを続けてしまうと、消化器への負担が増え、内蔵疾患に発展する可能性があります。

金魚はお腹いっぱいだと感じることがなく、常にエサを求めてきます。

可愛そうに思う気持ちはわかりますが、飼い主は心を鬼にしてエサやりをストップする必要があります。

期間は1週間を目途に、水温の調整と塩浴のセットで実施しましょう。

金魚の餌やりの頻度と量に関してはこちらの記事で詳しく紹介しています。

水温を上げる

水温を上げることも、金魚の消化不良の治療に有効です。

具体的には、熱帯魚用のヒーターなどを設置し「26度前後」にしましょう。

「水温の低下」は消化不良に直結します。

秋~春にかけて金魚の転覆病が頻発するのも、「水温の低下」が影響しています。

金魚は人間のように体温を自分で調整することができません。

「水温=体温」であるため、水温が低下すると体温も低下します。

体温が低下すると、内臓の働きも低下するため「消化」のスピードもゆっくりになります。

食べたエサを消化しきれず、必然的に消化不良を発症しやすくなります。

水温を上げる際は、温度調整ができるサーモスタット付きのヒーターが便利です。

金魚と水温に関してはこちらの記事で詳しく紹介しています。

塩浴を行う

エサやりをやめて、水温を上げたら塩浴も実施しましょう。

塩浴には金魚の自然治癒力を上げる(サポートする)効果があります。

塩浴を行うことで、金魚が普段行っている「浸透圧の調整」の負担を減らすことができるからです。

浸透圧の調整の負担を減らした分、金魚は消化不良の回復に専念することができます。

⬇︎【金魚の塩浴の方法はこちらにまとめています】

塩浴でも消化不良が改善されない場合、与えている「エサ」が金魚にあっていない可能性が高いです。

金魚の消化不良とエサの関係に関してはこちらにまとめていますので、事前に確認しておくことをおすすめします。

金魚の消化不良の治療方法【応用編】

金魚の消化不良は多くの場合、先ほど紹介したエサやりのストップ、水温調整、塩浴の3つの対応をすることで治療可能です。

ですがそれでも消化不良が改善されない場合、クロレラや純ココアを与えることで金魚の胃腸の調子を整える方法が存在します。

メーカーが販売しているエサではないため、実施するかどうかは「自己責任の範囲」になります。

実際に行ってきた経験から、難易度別に実施方法をまとめておきます。

クロレラ 難易度

金魚に市販のクロレラを与えることで、金魚の消化を促し、消化不良を改善する方法です。

使用するクロレラは、観賞魚用のものも販売されており、粒が大きい場合は砕いて金魚に与えます。

クロレラは自然界に存在する植物性のプランクトンですので、金魚も安全に食べることができます。

栄養価が高く、消化器官に与える負担も少ないことから、エサやりをストップしている間の補助的なエサとしても使うことが出来ます。

金魚にとってはとてもおいしく感じるのか、ものすごい勢いで食べるため、このサイトでも一番おすすめしたい金魚の健康食です。

完全に植物性のエサであることから、胃腸の調子を崩した金魚の排便を促し、調子を整える効果があります。

観賞魚用のものも販売されていますが、人間用のこちらのクロレラの方が圧倒的にコスパが良く、使用実績としても安定しています。

ぜひ参考にしてください。

ココア玉 難易度

市販の「純ココア」を水で練って丸めたものを金魚に与える方法です。

ココアに含まれる成分が金魚の排泄を促すことで、消化不良の改善に効果があると言われています。

最大の注意点は「純ココア」を使用することです。

普段皆さんが飲んでいるココアには、大量の砂糖が入っています。

「純ココア」はココアの成分以外が含まれていないもののことを指し、スーパーのお菓子コーナーや、砂糖の入ったココアの近くに販売されています。

金魚に使用するココアは、必ず純ココアを利用するようにしましょう。

なるべく小さめのサイズで、金魚が一口で食べられるものを、一日に数粒程度与えるようにしましょう。

胃腸の調子を整える効果はあるものの、クロレラとは異なり、金魚にとって栄養があるわけではないため、あくまで緊急用の治療薬として利用しましょう。

純ココアはこちらの商品が金魚への使用実績があり、安心してお使いいただけます。

ココア浴 難易度

ココア浴とは、簡単に言うと「純ココアでの薬浴」になります。

薬浴と同じように、薬浴用の水槽に金魚を移動し、既定量のココアを水中に混ぜることで、金魚にココアの成分を吸収してもらう方法です。

ココア浴は、ココア玉と異なり、ココア浴用のスペースに金魚を移動し、一定時間の実施が必要であることから難易度は高めです。

濃度は0.02%~0.1%の間での実施が推奨されていますが、ココアの油分による「呼吸困難」に注意する必要があります。

必ず、対象の金魚を専用のスペースにに移動してから実施してください。

隔離をして実施しない場合、水質が急激に悪化します。

実施した感覚としては、ココア玉と効果はほとんど変わらない、むしろ金魚への負担を考えるとココア玉のほうが圧倒的に効果的です。

金魚の消化不良を治して転覆病を治そう

金魚のフンを確認し、消化不良の症状が無くなれば回復してきている証拠です。

金魚の消化不良の治療には最短でも数週間、時間がかかることから、少しずつエサやりの再開を行い、フンの状態を常に観察する必要があります。

具体的には、「一日一粒」から再開していきます。

エサを与える度に消化不良が再発する場合、金魚の身体にエサが合っていない可能性が高いです。

らんちゅうやオランダ獅子頭と呼ばれる、体格が太い金魚だからと言って、「高たんぱく、高脂質」のエサを大量に与えるのは、本来全く良くありません。

ペットして大切に、長く育てていきたい方は「エサの種類」を「金魚にとって本当に健康なエサ」に切り替える必要があります。

詳しくはこちらに紹介していますので、内容を必ず確認し、エサ選びの参考にしてください。

過去の転覆病に関する記事のアーカイブはこちらにまとめています。

金魚の転覆病に関して実体験に基づいたより詳しい内容になっています。

ぜひ参考にしてください。

金魚の薬まとめ計算表

金魚に使用する薬の計量がワンクリックでできる計算表を無料で公開しています。
ブックマークしてお使いください。