金魚を飼育しているとほとんどの方が行うカルキ抜き。
長年飼育している方にとっては、意識するまでもない、当たり前の飼育テクニックです。
ですがあまりにも当たり前のテクニックであるがゆえに、多くの方が普段のカルキ抜きを「なんとなく」実施しているのが現状です。
この記事にたどり着いたあなたも、普段からカルキ抜きはやっている、けれどもきちんとできているのか不安だったり、
カルキ抜きという行為に対して、どの程度重要なのか疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
今回は金魚飼育の超基本、カルキ抜きに関してみなさんから集めた疑問を解決していきます。
基本だからこそ、金魚の快適な飼育につながる超重要なテクニックです。
ぜひ、参考にしてください。
この記事では記事内の写真の紹介に、みなさんのインスタグラムでの投稿をピックアップし、写真を閲覧できるようにしております。ぜひ、お楽しみください。
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カルキを抜く目的
金魚の飼育において、水道水のカルキを抜く目的はシンプルです。
それは、水道水の塩素を抜くためです。
人間の生活に使用する水道水には、雑菌を消毒するための塩素が含まれています。
この塩素は、人には無害な量に調整されていますが、身体の小さな金魚には有害です。
多くの方は水換えに水道水を使用するため、金魚にとって有害なカルキをきちんと抜く必要があります。
それがカルキ抜きの目的です。
カルキ抜きの種類
市販のカルキ抜き剤は大きく分けて2種類です。
透明の粒タイプのものと、液体タイプのものです。
透明の粒タイプのものは溶けきるまでに時間がかかる分、価格は安価です。
液体タイプのものは液体を溶かすだけなので即効性が高い分、粒タイプのものに比べると高価です。
お好みで選びましょう。
種類別!カルキ抜きの時間
市販のカルキ抜きを使う上で重要なのが、カルキ抜きにかける時間です。
カルキ抜きは粒タイプ、液体タイプそれぞれきちんと使用しないと、カルキが抜けきらないまま、水換えをすることになります。
ここでは種類毎におおよその時間を記載しています。
粒タイプの時間
粒タイプのカルキ抜きは投入後、溶けきったのを確認してから10分ほど置くのが最も安全な使用方法です。
溶けるまでにかき混ぜながらでも5分ほどかかるため、合計で15分ほどかかる計算になります。
急いでいて10分も待てない場合もあると思いますが、カルキは有毒であることを前提に、溶けきってから最低でも5分ほどは時間をおくことをおすすめします。
液体タイプの時間
液体タイプのカルキ抜きは投入後、5分ほどでカルキが抜けます。
即効!とうたわれている商品が多いですが、投入してかき混ぜればすぐに大丈夫というわけではありません。
かき混ぜた後、5分ほどは時間を置くことをおすすめします。
おすすめのカルキ抜きの方法
粒タイプや液体タイプのカルキ抜き剤を使用する方法以外にも、水道水のカルキを抜く方法は存在します。
シーン別のおすすめの方法を紹介しています。
24時間以上の汲み置き
水換えで水道水を使用する際は、迷わずこちらの方法を選択することをおすすめします。
カルキは、水が空気に触れることでどんどん空気中に出ていきます。
大きめのバケツ程度の水量であれば、丸一日(24時間)ほど放置するだけでカルキは抜けます。
市販のカルキ抜き剤を購入する必要がなく、コスパが良いことに加え、水換えで最も重要な水温合わせもできることがメリットです。
室内、室外問わず、水道水の温度と水槽の水の温度はほとんどの季節で異なります。
この場合、異なる水温の水を水槽に入れると、金魚は水温の急激な変化から体調を崩します。
水換えを行う際は必ず、水道水と水槽の水温を合わせる必要があり、それには水槽と同じ環境で汲み置きをしておくのが最も簡単です。
カルキ抜きのついでに、水温合わせまでできる、水道水の汲み置きが、最もおすすめなカルキ抜きの方法になります。
金魚と水温に関してはこちらで詳しく紹介しています。
水道水を沸騰させる
冬場や早春にヒーターを使用して飼育している場合、汲み置きやカルキ抜き剤を使用してカルキを抜いた水の、水温を上げる必要があります。
その際、蛇口から温かい水を出して調整する方法もありますが、カルキ抜きには最短でも5分以上かかるため、水温の調整が難しいです。
温度の調整には、一度煮沸したお湯を使用しましょう。
水道水は一度沸騰させるとカルキが完全に抜けます。
水温の調整が水換えの直前にできるため、水温差による金魚への負担も少なく、おすすめです。
この時、お湯での水温の調整は「必ず水槽の外で行う」ようにしてください。
カルキ抜きを入れすぎると
カルキ抜きを入れすぎたとしても、必要量の2倍程度であれば金魚に悪影響はありません。
ですがそれ以上になると、決して健康にいいものではないため安全の保証はできません。
入れすぎたと思ったら、水道水を足すなどして濃度を調整しましょう。
カルキ抜きをしない飼育はできるのか
水道水のカルキ抜きを行わない飼育を行なっている方もいますが、おすすめはしません。
どうしてカルキを抜かずに飼育ができているかというと、水道水のカルキの濃度は地域によって大きく異なるからです。
水の綺麗な山間部の地域だと、水道水になる前の水がすでに非常に綺麗な状態であるため、カルキの量はとても少ない場合があります。
ですがこれはとても稀なケースであり、少ないとはいえカルキは含まれているため、金魚の体調によってはカルキが原因で弱る可能性が高いです。
水道水を使用する場合はカルキは抜くものとし、飼育をおこなうことを推奨します。
カルキ抜きの基本を押さえて金魚を安全に飼育しよう!
カルキ抜きは、金魚を飼育する上で絶対にしなければならない儀式です。
だからと言って、なんとなくするのではなく、カルキを抜く目的と、カルキの特性をしっかりと理解してご自身に合った方法で実施することで、
飼育の幅はグンと広がります。
カルキ抜きの基本をしっかりマスターし、金魚を安全に飼育しましょう。