金魚の飼育でとても重要な水温の管理に関して、飼育初心者の方や、これまで水温を気にしたことがない方にもわかりやすくまとめています。
金魚の飼育ではどれだけ水換えを頑張っていても、水温の管理がうまくできないと金魚は体調を崩し、病気になってしまいます。
水やエサに気をつかっていても、どうしても金魚をうまく飼育できない場合、それは「水温の管理」に問題があるのかもしれません。
金魚の水温管理のバイブルとしてご活用いただけるよう、飼育で直面するあらゆるケース別にわかりやすくまとめています。
ぜひ、今後の金魚飼育の参考にしてください。
この記事では、記事内の写真の紹介に、みなさんのインスタグラムでの投稿をピックアップし、閲覧できるようにしております。ぜひ、お楽しみください。
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金魚の水温管理について
金魚は水温が健康に大きく影響するため、水槽内の水温管理は重要です。
適切な水温設定を行うことで、金魚は健康的に成長し、病気にかかるリスクを低減することができます。
金魚の水温管理については、飼育者の経験と勘に頼っている部分が多く、ほとんどの知識が公開されていません。
ここでは金魚の水温の管理について、飼育経験に基づいた網羅的な情報を紹介しています。
水温が金魚の健康に与える影響とは?
金魚は、水温の変化が健康に大きな影響を与えます。
水温が高すぎると金魚は酸素不足に陥り、呼吸困難やストレスを引き起こすことがあります。
また、病原菌や寄生虫の発生率が高くなるため、病気にかかる可能性が高くなります。
一方で水温が低すぎると、金魚の代謝が低下し、食欲不振や消化不良の原因となります。
また、免疫力が低下するため、病気にかかるリスクも高まります。
水温が適切であれば、金魚は活発に泳ぎ回り、健康な体調を保つことができます。
適切な水温は、種類によって異なりますが、一般的には18℃〜26℃の間が理想的とされています。
金魚の飼育を始める前には、必ず水温計を用いて水温を測定し、適切な水温を保つようにしましょう。
水温計を使った金魚の水温測定方法と注意点
適切な水温を保つためには、適切な水温を把握する必要があります。
市販の水温計を使用することで正確な水温の測定が可能です。
水温計を水槽内に挿入して、数分間放置した後に測定値を確認します。
測定時には、水温計の位置を変えたり、測定値を確認する際に水槽の蓋を開けたりしないように注意が必要です。
また、水温計自体が水槽内に入り込まないように、適切な長さのものを選ぶことも重要です。
ここでは金魚の飼育で使用する水温計を、おすすめ順に紹介しています。
電子水温計
金魚の水温管理には、正確な水温計が必要不可欠です。
その中でも、電子水温計は非常に正確で使いやすいため、金魚飼育におすすめの水温計として人気があります。
電子水温計は、測定値を数値で表示するため、読み取りやすく、また、精度も高いため、水温管理には最適な選択肢と言えます。
通常(ガラス)の水温計
通常の水温計は、手軽に入手できる水温計のタイプであり、比較的安価なものが多くあります。
しかし、通常の水温計は精度が低く、読み取りが難しいことがあるため、正確な水温管理を行う場合にはあまり適していないと言えます。
ただし初心者の方には手頃な価格で入手しやすいため、手軽に金魚飼育を始める際にはオススメです。
100均の水温計
100円ショップで入手できるような安価な水温計もありますが、精度や品質には問題がある場合が多いため、金魚飼育にはあまり適していないと言えます。
実際に3本水温計を購入し水温を測ると、同じ水槽で3本とも温度が違う、、、なんて経験もしています。
精度の低い水温計を使ってしまうと、正確な水温管理ができず、金魚の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、できるだけ精度の高い水温計を使うようにしましょう。
夏場の水温対策:金魚が暑さに弱い理由とは?
金魚は温帯で暮らす魚であり、夏場の高温には弱いです。
高温になると、水温が上昇することで酸素不足や病気のリスクが高まります。
夏場の水温対策としては、水槽周辺の温度を下げるためにエアコンを使用したり、水槽の位置を変えたりすることが有効です。
また、水温が上昇すると金魚の代謝も上がるため、餌や水の交換を増やすことでストレスを軽減することも大切です。
水槽用のファンやクーラーも市販されており、この記事でも紹介しています。
ぜひ参考にしてください。
水温30度での病気の治療に関して
よく、穴あき病の治療において「水温を30度」にすることで治療ができるとの記載がありますが、これはかなり危険な治療方法です。
確かに、穴あき病(特に頭部タイプ)の治療において、その原因菌の活動が弱まる観点から「水温を30度以上に上げる」ことは効果があります。
ですが、よほど慣れている飼育者か、夏場でもない限り病気の治療のために水温を金魚の限界域である30度以上にすることは非常にリスクが高いです。
なぜなら、高水温による原因菌の駆除よりも、水温の急激な変化による金魚へのダメージの方が大きいからです。
そもそも、穴あき病の原因菌は高水温に弱いことからこのような治療方法が推奨されていますが、多くの穴あき病は冬季の室内飼育や春、秋などの水温が比較的低いタイミングで発症します。
その状態から、超高水温である30°まで水温を上げるとなると、最悪15°以上の水温上昇に耐えられる個体でないといけません。
多くの金魚はこの水温上昇には耐えられないため、このサイトでは水温は高くても26度までの上昇でとどめ、塩浴と適切な薬浴での治療を推奨しています。
⬇︎【穴あき病の治療に関して、詳しくはこちらの記事で紹介しています。】
冬場の水温対策:金魚の冬眠と水温の関係性
金魚は冬場に水温が下がると冬眠状態に入ります。
このため、冬場は水温を下げて金魚の体力を節約することが大切です。
ただし、水温が下がりすぎると金魚が凍死してしまうため、水温は3℃~10℃程度に設定する必要があります。
冬季の水温調整は、水槽周辺の温度を下げることや、ヒーターを使用することで調整が可能です。
こちらもこの記事の後半で紹介しています。ぜひ参考にしてください。
水温が変化する原因:気温や季節の影響
金魚の水温は、気温や季節によって変化します。
夏場は気温が高くなり、水温も上昇する傾向があります。
一方、冬場は気温が下がり、水温も下がる傾向があります。
これらの環境変化によって、人為的な水温管理が必要になることがあります。
また、水槽の置き場所によっても水温に差が生じるため、適切な場所を選ぶことも大切です。
季節毎の水温の変化を簡単にまとめています。ぜひ参考にしてください。
春になると水温はどう変化するのか?
春になると、水温は徐々に上昇していきます。
これは、春先の日中の気温が上昇することで、水面温度が上昇し、それが水温の上昇に繋がるからです。
また、春は日照時間が長くなることで、水中の藻類が増殖し、それが水温の上昇にも影響します。
夏の水温管理に必要なポイントとは?
夏は外気温が高くなるため、水温も上昇しやすい季節です。
そのため、水槽周りの温度管理が必要です。
室内での水槽飼育だと、エアコンで室温を下げることで、水温の上昇を抑えることができます。
また、水温計を使用し、水温の変化を常にモニタリングすることも重要です。
秋の水温変化と金魚の健康管理について
秋になると、気温が下がり始めるため、水温も下降します。
このような時期には、水槽の中にウィルスや細菌が繁殖しやすくなるため、水質管理が非常に重要になります。
水温計を使用し、水温の変化に注意しながら水質管理を行うことで、金魚の健康を守ることができます。
冬場の水温管理と金魚の冬眠について
冬場は外気温が下がるため、水温も下降します。
そのため、冬場は金魚の冬眠を促すために、水温を下げることが推奨されます。
ただし、水温が極端に下がりすぎると、金魚が体調を崩す可能性があるため、適切な水温管理が必要です。
水温計を使用し、水温の変化を常にチェックすることが大切です。
金魚の水温管理に最適な水槽の設置場所
直射日光の当たらない場所がおすすめ
直射日光の当たる場所に水槽を設置すると、水温が上昇してしまい金魚にとって過酷な環境になります。
そのため、直射日光の当たらない場所を選ぶことが重要です。
また、水槽周りには風通しが良く、涼しい場所を選ぶことで水温を安定させることができます。
エアコンの効いた室内が最適
夏場など、室外の気温が高い場合は、エアコンの効いた室内が最適な水槽の設置場所となります。
エアコンの効いた部屋は、室温が一定に保たれるため、水温も安定します。
また、エアコンの風が直接水槽に当たらないように、水槽の近くにカーテンなどの遮光材を設置することが重要です。
室内の温度差に注意しよう
冬場など、室内の温度差が大きい場合は、水槽の設置場所に注意が必要です。
暖房器具の近くや、窓際などは温度差が生じるため、水温の上下が激しくなることがあります。
そのため、室内全体が均一な温度で保たれる場所を選ぶことが重要です。
また、水槽周りには断熱材を使用するなど、温度の変化を最小限に抑える工夫が必要です。
水温管理に必要な用具:ヒーター、クーラー、サーモメーター
ヒーターの種類と選び方
水槽の水温を上げるには、ヒーターを使用します。
水中式のヒーターは取り付け場所によっては温度差が生じることがあるため、設置は「水槽内の水が流れる場所」に行う必要があります。
以前は水を温めるヒーターと水温を設定するサーモスタットは別々でしたが、現在は多くのメーカーから一体型のものが販売されており、とても便利になりました。
ヒーターの選び方は、水槽の大きさや金魚の種類、水温調整の範囲などによってワット数が異なります。
クーラーの種類と選び方
水温を下げるためには、クーラーを使用します。
クーラーには、冷却ファン式と冷却装置式の2種類があります。
冷却ファン式は、水槽の上に設置して水面を冷却するため、簡単に取り付けることができます。
一方、冷却装置式は、水槽内に設置するため、外部からのノイズが少なく、水温を均等に下げることができます。
クーラーの選び方は、水槽の大きさや水温調整の範囲、使用環境によって異なります。
水温管理の重要性と金魚の健康維持について
金魚の健康維持には、適切な水温管理が不可欠です。
水温が高すぎると酸素不足や病気のリスクが高まります。
一方、水温が低すぎると金魚が冬眠状態に入ってしまうため、代謝が低下し、体力が消耗します。
適切な水温管理を行うことで、金魚の健康を維持し、結果として大きく元気に育てることができます。
金魚の水温の維持方法をマスターして、楽しい金魚ライフを送りましよう!