ピンポンパールの飼育の難易度や注意点、種類に関して、初めてピンポンパールを飼育する方にもわかりやすく紹介しています。
金魚とは思えないまんまるな体型と、愛くるしい泳ぎ方から、近年ではホームセンターなどでも見かけることが多いピンポンパール。
恐らくこの記事を読んでいる方は、ピンポンパールという種類の金魚を飼育したいと思っている方や、つい最近飼育を始めた方ではないでしょうか?
今回は、まんまるな金魚の代表格、ピンポンパールの飼育難易度と注意点をまとめています。
ぜひ、最後までご覧いただき、今後のピンポンライフに生かしてください。
この記事では、写真の紹介に、インスタグラムの投稿からピンポンパールの画像を閲覧できるようにしております。
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ピンポンパールは、飼育が難しい種類の金魚だと言われています。
理由として、身体がとても丸く改良されているため、消化器系の疾患や転覆病の発症率が高く、結果として長生きできない個体が多いと言うことが挙げられます。
基本的な考え方として、金魚は「原種であるフナと見た目が似ていれば似ているほど丈夫で強い」です。
ピンポンパールは、その見た目からもわかるように、原種のフナから大幅に改良が重ねられており、ほとんどの個体が日本の冬の気温にすら対応できません。
ピンポンパールは、たくさんの種類が存在する金魚の中でも、身体が弱く、飼育難易度は高い種類であると言えるでしょう。
こぶしくらいのサイズの琉金はホームセンターでもよく見かけますが、こぶしくらいのサイズのピンポンパールはほとんど見かけません。
これも、こぶしサイズまで育てるのが難しいというのが最大の理由です。
多くの方が、まだ500円玉くらいのサイズのピンポンパールをお迎えすると思います。
飼育は難しいものの、他の金魚と異なる注意点を押さえれば、元気に育てることが可能です。
この後紹介している注意点を守り、大切なピンポンパールと、少しでも長く一緒に暮らしましょう。
ピンポンパールの種類を紹介しています。
それぞれ、体型と色によってたくさんの種類が展開されています。
ぜひ、ピンポンパールをお迎えするときの参考にしてください。
体型別!ピンポンパールの種類
ピンポンパール
一般的に販売されているピンポンパールです。
体型はまんまるで、尾びれは三尾であることが多いです。
出目ピンポンパール
ピンポンパールの目が出目金のように出ている個体です。
まんまるな体型と出目の相性がよく、非常に可愛らしい品種です。
ちょうちんピンポンパール
ピンポンパールの尾びれが「ふな尾」の個体です。
通常の三尾のピンポンパールに比べ、ふな尾であることから泳ぎが活発な個体が多いです。
ピンポンパールロングテール
尾びれが長く美しい種類のピンポンパールです。
個体数は非常に少なく、珍しい品種です。
色別!ピンポンパールの種類
素赤
全身が真っ赤なピンポンパールです。
ピンポンパールは、後述している更紗が人気であることから、素赤の品種は実は珍しいです。
更紗
ピンポンパールといえば、更紗柄が有名であるように、もはやテーマカラーと言っても過言ではない色の種類です。
白と赤が混ざり合った体色のピンポンパールです。
キャリコ
白、黒、赤の三色が混ざり合った体色のピンポンパールです。
通常、ホームセンター等ではあまり出回らず、金魚専門店でもなかなかお目にかかれません。
シルク
全身が真っ白なピンポンパールの種類です。
更紗模様の個体と一緒に販売されていることが多いので、よく探してみましょう。
虎柄
黒と黄色(薄い赤色)で虎柄のような色をしたピンポンパールです。
こちらも市場にはほとんど出回っておらず、非常に珍しい品種です。
ブラック
全身が真っ黒〜銀色のピンポンパールです。
更紗やシルク柄のピンポンパールに比べると、とても珍しい柄になります。
ピンポンパールの飼育の注意点を記載しています。
基本的に飼育は難しい金魚ですが、注意点を守ることで長く、大きく飼育することが可能です。
- エサは少なめに
- 水流は弱めに
- 低水温に注意
水流は弱めに
ピンポンパールは、見た目の通り「泳ぎが苦手」です。
まんまるとした愛らしい体型は、魚として泳ぐことには全く適していません。
水流が強くなる外掛式のろ過機や、強いエアレーションはピンポンパールにとって大きなストレスになります。
できる限り避けるようにし、投げ込み式のろ過機に切り替えるようにしましょう。
水流を防ぐという意味では、底面式のろ過機が最もおすすめです。
ですが、金魚の飼育ではろ過能力が追い付かず、メンテナンスもしにくいことから、水質の悪化に繋がりやすいです。
水流の弱さとメンテナンス性を考えると、普段の飼育では投げ込み式のろ過機がベストです。
低水温に弱い
ほとんどの金魚は、過酷な日本の冬の環境を、冬眠をして乗り切ることができます。
たとえ水面が凍っていても、じっと動かずに春の訪れを待ちます。
ですが、ピンポンパールは冬眠がとても苦手です。
冬季の屋外飼育は避け、室内飼育で、水温は18度以上を維持するようにしましょう。
ピンポンパール以外のほとんどの金魚は、屋外での冬眠が可能であることを考えると、やや特殊な部類に入ります。
冬季はヒーターを設置すれば、水温を一定に保つことができます。
基本的に、ピンポンパールは冬眠ができず、飼育にはヒーターが必須であるという認識で飼育をしましょう。
エサは少なめに
ピンポンパールの飼育において、最も注意してほしいポイントです。
ピンポンパールは、個体により強弱はありますが、体型の都合上、消化機能があまり強くないです。
早く大きくしようとして、他の品種と同じようにエサを与えすぎると、転覆病などの消化器系の病気を引き起こします。
転覆病に関してはこちら
また、ピンポンパールは冬眠できません。
何度も言いますが、飼育にはヒーターが必須です。
冬季のヒーターの設置が必須である都合上、他の金魚が冬眠している間もエサを食べ、成長することができます。
焦らずじっくり育てましょう。
転覆病になりやすい
ピンポンパールの飼育の注意点に関して紹介してきましたが、環境や水温の変化、エサのやり過ぎなどが原因で、「転覆病」になりやすいです。
こまめな水換えとエサのやりすぎを控えつつ、体調は常に確認するようにしましょう。
ピンポンパールが「転覆病」になりやすいことを踏まえたうえで、はじめから「消化に良いエサ」を与えるのも一つの手です。
金魚の転覆病とエサの関係に関してはこちらにまとめています。
特に、転覆病になりやすいピンポンパールを飼育するのであれば、必ず一度は目を通しておくことをおすすめします。
ピンポンパールは、その丸い体型から、成長に伴い転覆病の発症率が高くなります。
前述したエサやりや消化器の強さが要因の転覆病だけでなく、「体型のバランス」が原因の転覆病も存在します。
具体的には、「腹部のみ」がまんまるに成長し続けてしまう個体は、体型のバランスが崩れ、健康なまま転覆病になってしまうことが多いです。
この腹部のみが成長しやすい個体を避ける方法として、「背中が丸みを帯びているか」が挙げられます。
横からピンポンパールを見たときに、頭から背中の背鰭にかけて盛り上がりがある個体は、腹部だけでなく身体全体がまんべんなく成長しやすい傾向にあります。
同じピンポンパールでも、個体によって様々な「体格差」が存在するため、お迎えをする際には注意して確認するようにしましょう。
ピンポン玉のようなまんまるとした体型と、泳ぎの愛らしさは他の金魚にはない、ピンポンパールならではの魅力です。
飼育にはピンポンパール特有の注意点が多いものの、じっくり、ゆっくり、丁寧に育てると、ソフトボールサイズにまで成長します。
そこまで育てることができると、繁殖も比較的容易にできます。
ピンポンパールを上手に飼育して、楽しいピンポンライフを送りましょう。
金魚の繁殖についてはこちら
立派に育ったピンポンパール