金魚の薬の種類について、初心者の方にもわかりやすくまとめています。
金魚は数百年以上にわたって、人の手によって飼育されてきました。
原種のフナとは異なり、自然界に金魚は存在しません。
人と共に進化してきた過程から、人に対する警戒心がなく、長く飼育しているほど、飼い主にとてもよくなつく様子は、金魚飼育ならでは醍醐味です。
ですがそんな楽しい金魚との時間が長くなればなるほど、金魚の病気に遭遇する確率は高まります。
古くから現在に至るまで、金魚の病気に対する、沢山の種類の治療法と金魚の薬が生み出されてきました。
今回は、大切な金魚が病気になってしまった時、どんな名前の薬を使えば良いのかを、わかりやすくまとめています。
金魚の病気の種類によって効果のある薬が異なります。
金魚が病気になったときの薬選びに、ぜひご活用下さい。
途中で知らない病名が出てきたら、こちらの記事を参考にしてください。
この記事では、記事内の写真の紹介に、みなさんのインスタグラムでの投稿をピックアップし、金魚の薬の画像を閲覧できるようにしております。ぜひ、お楽しみください。
また投稿の最後に、金魚の薬浴に便利な濃度計算表(自動計算)へのリンクを掲載しています。
誰でも完璧な濃度で薬の計算ができるので、ぜひご利用ください。
目次 表示
金魚の薬の種類と、それぞれが効果のある病気をセットで紹介しています。
金魚飼育を始めたての方はもちろんのこと、すでに飼育を始めている方にとっても、以前購入した薬が、「本当はこんな病気にも効果があったんだ」といった発見もあるでしょう。
それぞれ、病気の症状や治療方法をまとめた記事のリンクがあるため、「金魚の治療書」としてご活用ください。
メチレンブルー水溶液
金魚のみならず、観賞魚の薬といえば、この薬。
価格も安価で、内容も液体であることから使いやすく、非常にポピュラーな金魚の薬です。
尾ぐされ病にも効果があると記載されていますが、実際は白点病と水カビ病に強い効果を表します。
尾ぐされ病には、細菌性の感染症に効果のある、後述しているニューグリーンFや、グリーンFゴールドを利用しましょう。
メチレンブルーの計量方法、薬浴の方法に関してはこちら
グリーンFリキッド
こちらも液体タイプの白点病、水カビ病の治療薬です。
尾ぐされ病にも効果があるとの記載がありますが、尾ぐされ病は白点病や水カビ病とは違い、細菌性の感染症ですので、後述するニューグリーンFや、グリーンFゴールドを使うのが賢明です。
効果はメチレンブルーと同じなので、価格と好みで決めていただいて構いません。
ちなみにこの薬、主成分はメチレンブルーです。
グリーンFリキッドの計量方法、薬浴の方法に関してはこちら
グリーンF(ニューグリーンF)
メチレンブルーやグリーンFリキッドに、尾ぐされ病などの細菌性の感染症に対する効果を強化したものになります。
こちらは粉末剤となっており、計量がしにくいことが難点ですが、金魚だけでなく比較的どの魚種にも発生頻度の多い白点病、水カビ病、尾ぐされ病の3種類の病気をカバーしていることから、使い勝手とコストパフォーマンスはとても良いです。
ちなみに、この薬にも粉末のメチレンブルーが含まれており、使用すると飼育水は青く染色されます。
※ニューグリーンFは2022年現在販売が中止されています。同様の成分のグリーンFを利用するようにしましょう。
金魚の薬には粉末状で「計量がしにくい」ものも多く、水槽の水量によって濃度の計算も必要であるため、「適当」に計ってしまっている飼育者が多いです。
濃度が適当だと、せっかくの金魚の薬が効かないだけでなく、最悪の場合、金魚に致命的なダメージを与えかねません。
誰でもできる、金魚の薬の薬の簡単な計り方をまとめています。
ぜひ、ご覧ください。
グリーンFの計量方法、薬浴の方法に関してはこちら
アグテン
白点病、水カビ病の治療によく利用されます。
無色透明であり、水草への悪影響も少ないことから、熱帯魚などのレイアウト水槽でも利用されます。
ツリガネムシに対してはメチレンブルー系のグリーンFリキッドやメチレンブルーよりも遥かに高い効果があります。
ツリガネムシ症の症状、治療方法に関してはこちら(※白点病との見分け方も丁寧に紹介しています)
アグテンの計量方法、薬浴の方法に関してはこちら
ヒコサンZ
主成分はマカライトグリーンであり、アグテンと同じです。
薬効も全く同じですので、どちらでも入手しやすいほうを手に入れましょう。
アグテン、ヒコサンZがツリガネムシ症には最もおすすめの薬です。
ホームセンターでも取扱のある比較的入手しやすい薬ですので、完治させたいのであれば、入手するようにしましょう。
ツリガネムシ症の症状、治療方法に関してはこちら(白点病との見分け方も丁寧に紹介しています)
グリーンFゴールド
ニューグリーンFと名前が似ていますが、効果は全く異なります。
重度の白点病、水カビ病にも効果がありますが、どちらかと言えば、細菌性の感染症に特化した薬です。
尾ぐされ病の原因菌である、カラムナリス菌に強い効力を示します。
赤斑病や穴あき病の原因菌であるエロモナス系の細菌にも、初期段階であれば強い効力があります。
何より尾ぐされ病の特効薬、初期の感染症治療薬として使うのが賢明です。
尾ぐされ病と原因菌を同じにする口ぐされ病にも強い効力があります。
グリーンFゴールドの計量方法、薬浴の方法に関してはこちら
グリーンFゴールドリキッド
グリーンFゴールドと名前は似ていますが、成分は全く異なり、より細菌性の感染症に特化した薬になっています。
初期〜中期までのエロモナス系の細菌による感染症に効果があり、松かさ病の治療にも利用されることが多いです。
赤斑病やエラ病、穴あき病も、エロモナス系の細菌によるものが多く、同様に強い効果が見込めます。
薬の強さとしては中程度であり、エロモナス系の細菌による感染症が疑われる場合は、まずこちらの薬か、後述する成分が同じ観パラDを利用しましょう。
グリーンFゴールドリキッドの計量方法、薬浴の方法に関してはこちら
観パラD(観賞魚用パラザンD)
グリーンFゴールドリキッドと内容成分はほとんど同じです。
効果ももちろん同じですが、どちらかと言うとこの観パラDの方がよく利用されているイメージです。
どちらも、エロモナス系の細菌性感染症に効果がありますので、好みで選択いただいて大丈夫です。
観パラDの計量方法、薬浴の方法に関してはこちら
エルバージュエース
細菌性の感染症全般に非常に強い効力を示します。
前述したグリーンFゴールド顆粒や、観パラDでも回復が見込めない場合や、すでにエロモナス系の感染症であることが分かっている場合は、この薬を使う方が回復は早いです。
価格も安価でホームセンターなどでも手に入ることから、コスパは非常に高い薬です。
欠点としては、顆粒状の薬であり、非常に濃度が高く、小さな水槽で水量が少ないと調整がしづらいことが挙げられます。
よく、エルバージュエースは効果が強すぎるという理由でグリーンFゴールドを進める記事がありますが、用法・容量さえ的確に守れば非常に優秀な薬ですので誤解の無いようにしましょう。
薬浴における薬の量の調整に関しては、簡単な方法があるので、こちらの方法で実践してみて下さい。
金魚の薬の計り方について
エルバージュエースの計量方法、薬浴の方法に関してはこちら
金魚飼育において、金魚の病気は決して避けることができません。
金魚の病気の数だけ、古くから、金魚を親しむ人たちの手によって沢山の治療法や、薬が生み出されてきました。
今回は、比較的遭遇することの多い白点病や細菌性の感染症に対して効果のある薬を紹介しました。
金魚の病気には、「寄生虫によるもの」も存在します。
金魚の寄生虫も飼育年数が長くなればなるほど、遭遇する確率も高く、細菌性の感染症とは薬も治療法も異なります。
病気だと思っている金魚が実は寄生虫に寄生されていた、、、
なんてことも、飼育初期の段階では日常茶飯事です。
ぜひこの機会に金魚の寄生虫に関しても知識を深めておきましょう。
また、ほとんどの金魚の薬では、利用する際に金魚を薬浴という方法で治療します。
こちらも初めは少しテクニックを必要としますので、特に初心者の方に向けて必ずマスターした方がいい内容を記載しています。
金魚の飼育に慣れてきた、これまで何度も薬浴を行ってきたという方にとっても発見の多い内容になっています。
金魚の薬浴に関してはこちら
金魚の薬の種類と効果のある病気の知識をつけたら、薬浴を行う際の薬の計り方に関しても攻略しておきましょう。
いざ、薬浴を行おうと思った時にどうしても「なんとなく」の計量に頼ってしまう薬浴ですが、誰でも簡単に、正確に計量する方法が存在します。
一度マスターすれば、何度でも、どんな薬にも対応できますので、この記事を最後まで読んだあなたはこちらも読むことをおすすめします。