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金魚の白雲病の治療方法|水カビ病との違いや効果のある薬もご紹介!

金魚の白雲病に関して、水カビ病との違い効果のある薬の紹介だけでなく、完治できる治療方法を紹介しています。

普段元気な金魚の体表が白くなり、力なく水槽内を漂っていたり沈んでじっとしていたりする場合、「白雲病」の疑いがあります。

白雲病は、金魚が発症するさまざまな病気と併発して起こることが多く、放置すると数日以内に金魚は死に至ります。

この記事では、初めて金魚の白雲病を経験する方や、これから白雲病の治療を行いたい方にとって最適な情報をお届けします。

ぜひ最後までご覧いただき、今日から白雲病の治療を実践いただけますと幸いです。

この記事に関して

この記事では画像の紹介に、ツイッター、インスタグラムの投稿をピックアップし、金魚の白雲病の写真を閲覧できるようにしております。

また投稿の最後に、薬浴や塩浴に便利な濃度計算表(自動計算)へのリンクを掲載しています。

誰でも完璧な濃度で薬や塩の量の計算ができます。ぜひご利用ください。

金魚の白雲病の症状

金魚の白雲病の症状として「体表がうっすら白くなる」ことが挙げられます。

体表の一部がうっすら白いもやで包まれるイメージです。

進行が早く、数日〜1週間ほどで全身に広がります。

白いもやもやは全身に広がったのち、金魚のエラにも広がることで呼吸困難につながり、死にいたる怖い病気でもあります。

この白いもやは、病原菌でも寄生虫でもなく「金魚自身の粘液」です。

寄生虫に寄生された金魚が、寄生された部位を保護するために粘液を大量に分泌することで白く見えるようになります。

詳細は後述していますが、部分的に盛り上がって白くなったり、全身に白い粒々が広がっている場合は白雲病ではありません。

経験上、特に白い色をした金魚では発見がとても難しいため注意が必要です。

典型的な白雲病の症例)

金魚の白雲病の原因

金魚の白雲病は、寄生虫の寄生によって発症します。

具体的には、繊毛虫である「キロドネア」「トリコディナ」、鞭毛虫である「コスティア(イクチオボド)」が金魚の体表に寄生し、体液を吸いながら大量に繁殖します。

これらの寄生虫は低水温でも活動可能であり、最低水温は3℃ほど、最高水温は30℃以上まで適応します。

そのため、白雲病は季節を問わず発症する可能性のある病気です。

寄生された金魚は本能的に寄生部位から粘液を大量に分泌してしまい、身体や頭部が白くもやもやしたものにおおわれます。

これらの寄生虫はどれも金魚が暮らす環境であれば必ず生息しており、普段から金魚の体表にも一定量寄生しています。

元気な金魚であれば、実はそれほど害がありません。

ですが、金魚が病気に感染して体力が弱っていたり、水温の変化や水質の悪化により体表の抵抗力が弱まっている際は猛威を震います。

白雲病の原因は、金魚自身の体調不良による抵抗力の低下である場合がほとんどです。

白雲病は死にいたる病

白雲病は見た目とは裏腹に、死に至る可能性が非常に高い病気です。

白雲病の原因になる寄生虫は普段から金魚に寄生をしています。

この寄生虫が大量に繁殖するのは「金魚が極端に体調を崩している」ときです。

白雲病が肉眼で確認できる時点で、既に金魚はかなり弱っており、寄生虫が体表だけでなく「エラ」にまで進行すると回復は見込めません。

エラ病尾ぐされ病などの、他の金魚の病気との合併症として発症することも多く、根本的なの病名を突き止めた上で、適切な治療を行う必要があります。

⬇︎金魚の病気の種類に関してはこちらで詳しくまとめています。

白雲病に効果のある薬

白雲病の治療に効果のある薬を紹介しています。

治療を行う上で適切な薬の選定は必須ですが、白雲病に効果がある薬の種類は多数報告されており、

これまで金魚の病気を経験したことがある方であれば、どれか一つは持っているはずです。

進行が早い病気であることから、最短で治療を始めることが金魚の命を左右します。

それぞれ、症状の進行度合いによって使用する薬が異なるため必ず参考にするようにしてください。

症状が軽度で比較的金魚が元気な場合

アグテン・ヒコサンZ

アグテンやヒコサンZはマカライトグリーンという薬剤が主成分です。

軽度の白雲病であれば「塩浴+マカライトグリーン浴」で改善することが多いです。

それぞれの薬の使用方法に関してはこちらにまとめています。

グリーンFリキッド

グリーンFリキッドにはアクリノールという抗菌成分が含まれており、メチレンブルーとの相乗効果が報告されています。

白雲病に対して効果が強い薬ではありませんが、尾ぐされ病と合併している場合は、ぜひこの薬を投薬して様子を見ることをおすすめします。

尾ぐされ病の原因菌が体表に広がることで、白雲病のような症状を表すことがあるからです。

使用して3日間経過しても症状の改善が見られない場合は即黄色い抗菌薬に切り替えましょう。

アグテンやヒコサンの場合であっても、同様です。

白雲病はみるみるうちに進行し、明らかに金魚はぐったりとしてくるため、治療開始のスピードがとても重要です。

⬇︎グリーンFリキッドに関してはこちら【水カビ病・白点病・軽度の尾ぐされ病には強い効果があります】

体表の至る所が白く、ぐったりとしている場合

エルバージュエース

金魚に残された力がなさそうな場合は、迷わずエルバージュエースを使用しましょう。

ここで、使用経験の乏しい飼育者は「強い薬だから」という理由でエルバージュエースを避ける傾向があります。

確かに、エルバージュエースは効果が強い薬であり、既に弱っている金魚には使用したくない気持ちもわかります。

ですが、白雲病が進行しているという状況が、金魚にとってすでに「明日が見えない」状況です。

金魚に残された体力が少ないからこそ、強い薬で一気に病原虫を駆除する以外に方法はありません。

エルバージュエースを怖がる方々の多くはその「計量」に自信がない方です。

エルバージュエースの適切な濃度での軽量に関しては、こちらの記事で誰でも簡単にできる方法でまとめています。

必ず参考にするようにしてください。

あれば併用がおすすめの薬

プラジプロ

金魚の体表に寄生する寄生虫の中でも「吸虫」と呼ばれる部類の寄生虫に高い効果があります。

白雲病の原因虫であるコスティア(イクチオボド)キロドネラやトリコディナだけでなく、エラ病の原因虫でもあるダクチロギルス、ギロダクチルスにも非常に高い効果があります。

本来であれば、白雲病を発見次第まず使用すべき薬は「プラジプロ」であり、マカライトグリーンとの併用が極めて有用です。

プラジプロに関してはこちらで詳しく紹介しています。

難点として、プラジプロは「日本国内では入手できない」ということが挙げられます。

日本企業が作っているのに、日本で購入できないなんて皮肉でしかないのですが、合法での入手方法は存在します。

ぜひ参考にしてください。

白雲病の治療方法、治し方

白雲病の治療方法に関して、一般的な飼育環境でもできる実践的な内容を、初めて経験する方にもわかりやすく紹介しています。

白雲病の治療はスピード勝負です。ぜひ参考にしてください。

【隔離】対象の金魚を隔離する

白雲病の金魚を隔離します。

白雲病になった対象の金魚が複数いる場合は、水槽全体をリセットしながら治療を行うようにしてください。

【塩浴】塩を0.5%の濃度で投入する。

必ず丸一日かけて実施をしてください。

濃度が高い方が白雲病の寄生虫に対する効果は高くなりますが、その分金魚への負担も大きくなります。

金魚の状態を見て、濃度を決定してください。

⬇︎【塩浴の塩の量はこちらで簡単に計算できます。】

【薬浴】適切な濃度で薬浴を行う

塩浴の濃度が整ったタイミングで同時に薬浴を開始します。

薬浴に使用する薬は適切な濃度を計量する必要があります。

必ず、計算表を使用して薬浴を実施しましょう。

市販の高級な計量器を購入する必要はなく、誰でも数百円で実現可能です。

⬇︎薬浴の方法に関しても紹介しています。

【水換え】水換えを半分行う

3日間ほど様子を見て回復が始まっていれば水換えを行います。

具体的には、「水槽の水のちょうど半分の水量を抜き、同量の真水を投入」します。

これで、水槽内の濃度は半分(0.4%〜0.5%)になり、安全な塩浴の濃度に戻ります。

注意点として、真水を入れる際は必ずゆっくり投入するようにしてください。

可能であれば、少しずつの量を3時間ほどの間隔で投入するようにしてください。

回復の傾向が見られない場合は即、水換えと同時に薬の変更を行なってください。

【継続】そのまま数日間薬浴を続ける

数日間薬浴を続け、金魚の様子を見るようにしましょう。

うまくいけば、体表の白雲が消え、金魚は活発に動き出します。

効果が見られない場合、水換えと薬の変更を行いましょう。

【水換え】塩水で水換えをしよう

白雲が完全に取れたら薬浴から終了していきます。

具体的には、水換えを水槽と同じ濃度の塩水で行います。

できれば毎日半分ずつ塩水で水換えを行うことで、数日で薬剤は薄くなり金魚に負担なく薬浴が終了できます。

白雲病は再発しやすい病気ですので、塩浴は1週間ほど続けましょう。

塩浴後の水換えに関してはこちらに詳しく紹介しています。

白雲病と水カビ病の見分け方

白雲病と間違えやすい病気の一つが「水カビ病」です。

ここでは見分ける上でのポイントを紹介しています。

もやもやのサイズ

白雲病の場合、もやもやは薄く広範囲に広がります。

対して水カビ病の場合、もやもやは厚く特定の部位に付着します。

これは白雲病が寄生虫由来の病気であり、白いもやは金魚の粘液であるのに対して、

水カビ病は細菌の水カビ由来の病気であり、白いもやは水カビの塊であることが要因です。

もやもやの色

白雲病のもやもやの色はうっすら白く、見方によっては青白く見えることもあります。

白い金魚だと発見が非常にしずらく、赤い部位が白化して初めて気づくことが多いです。

対して水カビ病ではゼリー状の半透明の色をしており、白い体表でもはっきりと何かが付着していることがわかります。

ゼリー状の半透明なものが付着している場合、間違いなく水カビ病です。

⬇︎水カビ病の詳しい特徴はこちらで紹介しています。

白雲病と白点病の見分け方

白雲病は白点病と間違われることも多いです。

ここではそれぞれの特徴とともに見分けるポイントを記載しています。

白い部分は一帯か、点々か

白雲病の白色は、金魚が出す粘液です。

白点病の白い点は、一粒一粒が白点虫と呼ばれる寄生虫です。

そのため、白雲病の場合は特定の部位一体が白くなるのに対して、白点病の場合は全身に小さな粒々がびっしりと広がります。

一度どちらかの病気を経験すれば、見分けることは容易なのでこの記事の最後に掲載している「Instagram Pick Up」を参考にしてみてください。

⬇︎白点病に関してはこちらで詳しく紹介しています。

金魚の白雲病を完治させよう!

金魚の白雲病は治療が遅れると死に至る怖い病気です。

ですが治療薬は複数存在し、早期に適切な治療を行うことで回復させることができます。

どの薬も、金魚の病気の治療で頻繁に使用するものばかりですので、この機会に常備薬として揃えておくことをおすすめします。

白雲病の症状と治療方法をマスターして、皆様が日々の金魚ライフをより充実したものにできることを心から願っております。

金魚の薬|濃度計算表(まとめ)

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