メチレンブルーという金魚の薬をご存知でしょうか。
金魚の飼育において、この薬を利用する機会は非常に多いです。
金魚を飼育したことがある人であれば、一度は名前を聞いたことがあるこの薬。
今回は、金魚飼育におけるメチレンブルーの用途を全てまとめています。
メチレンブルーは、金魚を飼育するのであれば、必ず一本持っておきたい薬です。
メチレンブルーに関して、まだ利用したことのない方やこれまでうまく利用できていなかった方に対して、最適な情報をお届けします。
メチレンブルーは金魚飼育における「常備薬」です。
ぜひ、これを読んで今日からメチレンブルーを使いこなしてください。
この記事では、記事内の写真の紹介に、みなさんのインスタグラムでの投稿をピックアップし、閲覧できるようにしております。
また投稿の最後に、金魚の薬浴に便利な濃度計算表(自動計算)へのリンクを掲載しています。
誰でも完璧な濃度で薬の計算ができるので、ぜひご利用ください。
金魚の飼育におけるメチレンブルーの出番は非常に多いです。
ここでは代表的なものを紹介していきます。
金魚の病気の治療
まず、代表的な利用用途に「金魚の病気の治療」が挙げられます。
この場合、規定量のメチレンブルーを溶かした水溶液に、金魚を泳がせる「薬浴」と呼ばれる方法で利用します。
ここではメチレンブルーによる薬浴の効果がある金魚の病気を紹介していきます。
メチレンブルーと聞いて多くの方がまず思い浮かべるのがこの病気だと思います。
メチレンブルーは白点病の原因である、白点虫と呼ばれる寄生中の駆除に効果的です。
塩浴でも改善しない場合、メチレンブルーで薬浴すれば、よほど重症でない限り大抵の金魚は元気に回復します。
白点病に関してはこちら
白点病と同じく、体表に白くもやもやとした小さな寄生虫が大量に付着することで発症する病気です。
寄生された金魚は体表を水槽の側面や、底砂に擦り付けるような仕草をします。
金魚が元気であれば自然治癒することも多く、白点病や水カビ病と勘違いし、塩浴や、メチレンブルーによる薬浴で治療が完了していることがほとんどです。
回復した際に、患部がかさぶたのように「黒くなる」ことが有名です。
金魚の体やヒレの一部が突如黒くなった場合は、この白雲病が自然治癒した証拠です。
この黒いかさぶたは「黒ぶす」とも呼ばれ、長くとも数週間で自然と消えていきます。
白雲病と黒ブスに関してはこちら
※準備中です。
金魚の体表に白いカビが寄生し、体が半透明のもやもやとしたカビに包まれ、最後は呼吸困難に陥り死んでしまう病気です。
主に水質が悪いことが原因で、金魚の免疫力が極端に落ちている時に発症します。
この病気も、塩浴+メチレンブルーでの薬浴で治療することができます。
水カビ病に関してはこちら
ツリガネムシ症は、金魚の体表に原生生物(プランクトン)である「ツリガネムシ」が寄生することで発症します。
ツリガネムシは本来は金魚に寄生する必要のない、水中の有機物を分解しているプランクトンです。
水質の悪化に伴いエサとなる有機物が増えたことにより、水槽内で異常発生したツリガネムシが金魚の体表を住処とすることで様々な感染症やエラの病気の原因となります。
ツリガネムシに関しても、白点病と同じく「メチレンブルー」での薬浴で治療することが可能です。
ツリガネムシ症に関してはこちら
尾ぐされ病は、カラムナリス菌と呼ばれる細菌の感染によって発症します。
これまで紹介してきた病気と異なり、尾ぐされ病は「細菌性の感染症」であるため、メチレンブルーによる直接的な効果はあまり見込めません。
ですが、初期の尾ぐされ病の進行を抑制したり、白点病やツリガネムシ症との誤診の際のつなぎとして利用することはできます。
尾ぐされ病に効果のある薬としては「グリーンF(ニューグリーンF)」と「グリーンFゴールド顆粒」が挙げられます。
一見、ニューグリーンFにはメチレンブルーが含まれているため、こちらの方が効果がありそうに見えますが、実際は黄色い箱の「グリーンFゴールド顆粒」が尾ぐされ病には強い効果を示します。
尾ぐされ病に関してはこちら
金魚のトリートメントでの使用
金魚を新しくお迎えした際に必ず行う、トリートメントにおける薬浴でも、メチレンブルーは大活躍します。
白点病などの寄生虫由来の金魚の病気は、外部の飼育施設から新しい金魚をお迎えする際、どうしても伝染してしまいます。
金魚も移動による疲れと環境の変化で体調を崩しがちなので、お迎え直後のトリートメントは、金魚飼育において必須の技術です。
金魚のトリートメントに関してはこちら
トリートメントでは、塩浴と並行してメチレンブルーでの薬浴を行うプロも多く、病気を持ち込む可能性がある個体の洗浄用途で利用する機会は多いといえるでしょう。
金魚の塩浴の方法に関してはこちら
卵のカビを防ぐ
金魚の繁殖を行うときも、メチレンブルーは大活躍します。
金魚は一度の産卵期間において、最大で数万個以上の卵を産みます。
それらすべてが孵化することはなく、未受精卵は数日で死滅し、水カビに侵されてしまいます。
このカビは、未受精卵だけでなく、近くの生きている受精卵にも伝染し、卵を死滅させてしまいます。
そのため、金魚の卵管理する際には、メチレンブルーを少量加えることでカビの発生を防止する方法が一般的です。
そうすることで、死滅した卵から発生する水カビが最小限に抑えられ、より多くの稚魚を孵化させることができます。
よく、稚魚専用の薬としてパッケージ販売されている商品も存在しますが、中身はメチレンブルーや同じ薬効のマカライトグリーンですので、そのまま使用して問題ありません。(コスパはメチレンブルーが最強です。)
金魚の飼育において、メチレンブルーの利用用途は非常に広いことがお分かりいただけたでしょうか。
よく金魚飼育で利用される最大の理由としては、「金魚への副作用がほとんどない」ことが挙げられます。
他の金魚の薬だと、既定の濃度や薬浴期間を超えると、その成分の強さから金魚にダメージを与えるものが多く、特定の病状が発覚してからでないと使いづらいのが現状です。
ですが、メチレンブルーは薬の強さによる金魚への悪影響ほとんどなく、濃度を下げれば卵や稚魚にも使用することが出来ます。
これはメチレンブルーが元々は細胞を染色して見えやすくするための「染色液」であることも関係しています。
これだけ幅広い用途に利用できる金魚の薬は他になく、金魚飼育をできるだけ長く続けたいのであれば、一家に一本、「メチレンブルー」の常備を強くおすすめします。
価格も安価であり、インターネットでも手軽に手に入るため、ぜひ一度購入を検討してみてください。
メチレンブルーを購入し、実際に使用する際はきちんと計量を行う必要があります。
メチレンブルーの用法、用量に関しては自動で計量できる計算表が便利です。
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