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金魚の転覆病の治し方について【エサの種類編】|原因はエサの種類?治療方法を紹介!

金魚の転覆病の原因と治し方に関して、普段のエサから見直そう

金魚を飼育していると必ずと言っていいほど遭遇する「金魚の転覆病の治し方」と「金魚のエサの種類」の関係に関してわかりやすくまとめています。

朝起きていつものように水槽を眺めると、大切に育ててきた金魚が浮いている、、。

まさか!と思って近寄ってみると、必死に泳ごうとするものの、泳げずに力なく浮いている、、、。

このような症状の場合、その金魚は「転覆病」になっている可能性が高いです。

転覆病は、金魚の病気の中でも治療が厄介な病気と言われています。

理由としては、「転覆病は原因の特定が難しく、治療に関しても特効薬がない」ためです。

ですが本当は、転覆病の原因が消化不良である場合、転覆病の治療方法は明確に存在します。

金魚が転覆病になった方、過去に転覆病になって困った方は、ぜひ参考にしてください。

この記事に関して

この記事では写真の紹介に、みなさんのインスタグラムでの投稿をピックアップし、金魚の転覆病の画像を閲覧できるようにしております。

また投稿の最後に、金魚が転覆病になった時に実施する薬浴や塩浴(塩水浴)に便利な濃度計算表(自動計算)へのリンクを掲載しています。

誰でも完璧な濃度で薬や塩の計算ができるので、ぜひご利用ください。

金魚の転覆病の原因

多くの飼育者の飼育経験を整理すると、金魚の転覆病の主な原因は大きく分けて3つあります。

金魚の転覆病の主な原因
  • 消化器官の異常による消化不良
  • 先天的または成長、高齢化による浮き袋機能の異常
  • 内臓への細菌の感染に伴う体内組織の肥大化

消化器官の異常による消化不良

転覆病の原因としてまず考えられるのが、「消化器官の異常による消化不良」です。

基本的に、金魚は雑食性の魚です。

そのため、植物、昆虫、動物など、なんでも食べてしまいます。

ですが、金魚にも消化をしやすいエサと、消化しにくいエサがあり、「タンパク質」が高すぎるエサは苦手です。

金魚が消化不良を起こすと、腸内にガスが溜まります。

このガスの浮力が、水中で生きている金魚の泳ぎを邪魔することで、金魚が水面に浮いている状態になります。

ひどくなると、金魚の消化器官そのものがダメージを受けてしまい、体内で常にガスが生成され、元通りに泳ぐことが困難になります。

これが、エサの消化不良により消化器官内にガスが発生した際の金魚の転覆病です。

先天的または高齢による浮き袋の異常

何らかの原因で浮き袋に異常が生じた時も、転覆病を発症します。

浮き袋とは、水中で生活するほとんどの魚類に生まれつき備わっている器官(臓器)で、その名の通り水面に浮いたり、水中に沈んだりする際の「調整弁」の役割を果たします。

この浮き袋が先天的に弱かったり、高齢に伴って調整機能が弱まった時に転覆病を発症します。

浮き袋に特定した治療方法はなく、転覆病のまま飼育を続けるしかありません。

このタイプの転覆病の場合、金魚も「転覆によってうまく泳げないこと」以外は何の異常もなく、エサさえ飼い主が丁寧に与えていれば元気に生きていることが多いです。

転覆病は金魚が「浮いている」だけでなく、「沈んでいる」パターンも存在します。

浮いているパターンが、沈むことができない状態なのに対して、沈んでいるパターンは、浮くことができない状態です。

沈んで浮き上がれない状態の場合は、間違いなく「浮き袋の異常」が原因です。

内臓の感染症に伴う体内組織の肥大化

内臓に細菌が感染し、腫れたり損傷したりすることで浮き袋に圧力がかかり、転覆病を発症するケースです。

「松かさ病」を併発することが多く、内臓に細菌が感染し、転覆病を発症している時点で、

ずいぶん前から異常が発生していたケースが多く、治療は手遅れであることが多いです。

金魚が発症する感染症の代表格である赤斑病など、感染症に対しては常に気をつける必要があります。

⬇︎【赤斑病に関してはこちらの記事にまとめています。】

⬇︎【金魚の松かさ病に関してはこちらにまとめています。】

治療は非常に困難な松かさ病ですが、絶対に治らない病気というわけではありません。

金魚の転覆病の治し方

金魚の転覆病の治し方に関して、先ほど紹介した原因の中から「エサの消化不良」をピックアップして紹介しています。

金魚のほとんどの転覆病がこの方法で解消できるため、ぜひ一度参考にしてみてください。

転覆病の原因の多くはエサの消化不良

金魚の転覆病で、最も多い原因は「エサの消化不良」です。

朝エサをあげた後に転覆病を発症し、夜家に帰ってきていると元通りぴんぴんしている、、。

そしてまたエサをあげると浮いてしまう。

この記事を読んでいるあなたも、そんな経験があるのではないでしょうか。

これは、「消化器官(主に腸)」に異常があるために起こります。

理屈としては簡単で、食べたエサの消化と吸収がうまくいかないために、お腹の中にガスが溜まり、それが原因で浮いてしまうのです。

ガスをフンと一緒に排泄すれば元通りになるため、もちろん泳ぎも元通りです。

転覆病と言われる病気の原因のほとんどが、この消化器不良によるガスの蓄積です。

つまり、消化不良を治すことができれば、転覆病を治すことができるということになります。

転覆病の治療は消化不良の治療

先天的な浮き袋の異常や、感染症による内臓組織の肥大が原因である可能性もあります。

ですが、この記事では初心者向飼育者けに、金魚の転覆病の原因は消化不良だと断言しています。

なぜなら、そもそも先天的に浮き袋に異常があれば、購入の際、泳ぎの違和感に気づくはずです。

また、高齢による浮き袋の異常も確かにありえます。

ですが、ただでさえ飼育が難しい金魚を、いわゆる高齢と呼ばれる(5年以上)まで飼育しきれる初心者は、ほとんどいません。

内臓の感染症に伴う体内組織の肥大化に関しては、内臓がウイルスや細菌に感染し、体内に水が溜まっている状態です。

そのため、「松かさ病」やその他の病気を併発していることが多く、この記事にたどり着く前に、金魚は息絶えている可能性が極めて高いです。

松かさ病に関してはこちら

よって、多くの金魚の転覆病の原因が「消化不良」であることが多いと断言できます。

他にも例外的に、らんちゅうやオランダ獅子頭といった体型の丸い金魚だと、メスの金魚の場合のみ、卵巣へ腫瘍ができることによって転覆病のような症状が確認されることがあります。

この場合、松かさ病のように鱗は逆立たない状態で、腹部が日に日に膨らみ続けます。

残念ながら治療方法は存在しません。

金魚の特性とエサの消化に関して

金魚は長い年月に渡って、人の手によって品種改良がされてきました。

らんちゅうやオランダ獅子頭をみていると、まさかこの金魚の祖先がフナだとは、想像しづらいと思います。

体型も、色も、美しく改良されることの代償として、金魚は基本的に「内臓の機能や構造」がフナよりもはるかに弱いです。

それゆえ同じようにエサを食べていても、エサの種類によっては「消化不良」を起こしてしまいます。

数回の消化不良なら問題ありませんが、複数回にわたり継続的に続くと、内臓に損傷が発生します。

金魚の転覆病では、まず普段のエサの種類から見直しましょう。

転覆病の治療とエサの種類

金魚の転覆病の多くはエサの消化不良が原因です。

これを解決できれば、転覆病は治療できます。

では、どのようなエサを与えればいいのでしょうか。

先に答えをお伝えすると、タンパク質の含有量が少ないエサを与えというのが正解になります。

何故なら、タンパク質が低いほど、金魚にとって消化にいいエサであるからです。

一般的に、金魚のエサは次のような成分で構成されています。

金魚のエサの構成要素
  • タンパク質
  • 脂質
  • 素繊維
  • 水分
  • 灰分
  • りん

この中で、金魚の成長を大きく左右するのが、「タンパク質」です。

タンパク質が多ければ多いほど、同じ量のエサを食べても金魚は早く成長します。

そのため、金魚を早く大きくすることに特化したエサだと、どうしてもタンパク質の割合が大きくなりがちです。

ですがこのタンパク質、金魚にとって決して消化にいいものではありません。

むしろ、過度のタンパク質の接種は、金魚の消化器官に大きな負担をかけます。

消化不良による転覆病を治療するためには、まず普段与えているエサのタンパク質を見直しましょう。

金魚飼育の豆知識

よくwebサイトやInstagramなどで紹介されているおすすめのエサのほとんどが「金魚を早く大きくする」目的で生産されています。

これは、金魚が歴史的に「体格の良さと美しさを見せあう」ために飼育がされてきたためです。

沢山の金魚の中から、「早く大きく成長できる強靭な個体」だけを残す、いわゆる品評会などで見せ合うための飼育方法が悪いというわけではありません。

ですが、その飼育方法は金魚に与えるダメージも非常に強く、当然、エサの消化不良を原因にした転覆病の発生率も高くなり、「元気に生き残る個体数は少ない」飼育方法になります。

大切な家族の一員として金魚を飼育する場合は、選択すべきエサの種類は異なるということを、この記事を読んでくれたみなさまには覚えておいてほしいと思います。

初心者向けの、金魚の消化に良いエサはこちらになります。

金魚の消化不良に関してはこちらの記事に詳しくまとめています。

ぜひ参考にしてください。

金魚のエサの消化とタンパク質

理想的なタンパク質の割合

一般的に紹介されているエサではタンパク質が多すぎることを紹介しました。

では、具体的にどのくらいのタンパク質のエサが良いのでしょうか。

答えは「タンパク質が35%前後のエサ」です。

一般的に、金魚の成長や増大をうたっているエサの場合、少なくとも40%以上、多いものだと45%以上です。

これだと、早い成長が期待できる反面、消化器官にも負担をかけることから、転覆病を発症している(する可能性のある)金魚にとっては最も相性の悪いエサとなります。

消化に良い原料

タンパク質の次に重視して欲しい内容として、「消化に良い原料を使っているか」があります。

一般的に、金魚にとって消化が良く、栄養価も豊富な原料として「小麦胚芽」が挙げられます。

タンパク質の割合だけでなく、この小麦胚芽が使われているか否かも、ぜひ参考にしてください。

ブリーダーや飼育ベテランの方々に根強い人気がある、消化に良いエサはこちらです。

転覆病の治療におすすめの市販のエサ

ここまでで紹介した「タンパク質の割合」と「小麦胚芽」の使用という2つのポイントで、実際に利用経験のあるエサを選択しています。

ヒカリ (Hikari) ミニペット胚芽 200グラム

浮上性タイプのエサです。

小麦胚芽が主成分となっており、消化のしやすさは抜群です。

やや粒が大きいことが難点ですので、6cm以上の金魚に与えるようにしましょう。

ミシロ 彩金魚 胚芽育成用 SS 浮上性 200グラム

多くの愛好家から根強い人気がある金魚のエサです。

緑色のパッケージの本商品には、小麦胚芽が含まれており、水温が15度前後でも与えられるものになっています。

春先や秋などの気温の変化が激しい時期にもオススメです。

ヒカリ (Hikari) きんぎょのえさ5つの力 胚芽 200グラム

小麦胚芽だけでなく、梅エキスや納豆菌、乳酸菌などをバランスよく配合したサプリメント的な効果も期待できる金魚のエサです。

消化に良いだけでなく、金魚の体表の粘液を整える効果もあります。

腸内環境を整える意味でも非常にコストパフォーマンスに優れたエサです。

上記の低タンパク質、良消化タイプのエサでも転覆病の改善が見られない場合、1週間ほどエサを抜き、再度同じエサを与えてみてください。

金魚の転覆病治療は根気が大切

金魚の消化不良はすぐに完治する物ではなく、治療には根気が必要です。

少しづつ治療を進めることで、金魚に負担なく、確実に胃腸を回復させることができます。

あなたの大切な金魚の転覆病が、1日でも早く回復することを願っております。

金魚の消化不良に関しては、こちらの記事でさらに詳しくまとめています。

消化不良は金魚のあらゆる病気の元凶になります。万病の元です。

金魚が消化不良だと分かった時点ですぐに対処が必要です。

⬇︎【金魚の消化不良と転覆病に関して|胃腸の調子を整えよう

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