金魚の転覆病の治療方法に関して、原因の特定段階からわかりやすく紹介しています。
この記事に記載していることをきちんと実践いただければ、たとえ「転覆病になりやすい」個体であっても、転覆病を発症させないで飼育することが可能です。
実際に転覆病の金魚を飼育している方に向けた、実践的な内容となっております。
ぜひ、お試しください。
この記事では、みなさんのインスタグラムでの投稿をピックアップし、金魚の転覆病の画像を閲覧できるようにしております。
また投稿の最後に、薬浴や塩浴に便利な濃度計算表(自動計算)へのリンクを掲載しています。
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昨日まで元気に近寄ってきていた金魚が、ある日突然苦しそうに浮いている、、、それが、転覆病です。
沈んでしまって、浮いてこない場合も転覆病です。
焦る気持ちはわかります。
ですが、何事も原因がわからなければ対処できません。
まず、金魚の転覆病の原因を見分けましょう。
転覆病は多くのケースにおいて、穴あき病などの細菌性の感染症に比べ、生死の緊急性はありません。
転覆病により金魚が死んでしまう原因のほとんどは、原因を特定せず、慌てて適当な対処をした飼育者自身にあります。
治療を行う上で1番大切なポイントですので、慌てず、慎重に後の内容を確認してください。
ここでは、転覆病を発症している金魚の状態別にそれぞれ考えられる原因を記載しています。
ひとくくりに転覆病と言っても、原因によって対処法が全く異なります。
まずは金魚が転覆病になった原因を確実に押さえましょう。
金魚の転覆病の原因
- 細菌性の感染症
- 浮き袋の異常
- エサの消化不良
金魚の内臓、特に浮き袋や周辺の臓器に細菌が感染し、水深の調整が出来ずに浮いてしまうケースです。
一般的に、内臓にまで細菌が感染している場合は「松かさ病」を併発している(する直前である)ことが多いです。
鱗が逆立っている等、松かさ病の症状があるか、よほど体表に異常がある(赤い斑点等)場合を除き、初見で感染性だと決めつけるのは時期尚早です。
仮に内臓系の疾患であった場合、治療は非常に困難になります。
まずはエサやりをストップし、金魚の様子を見ながら後述する他の原因を疑ってみましょう。
感染症ではないものの、浮き袋を含む内臓に異常があり、浮き袋の機能が低下したことにより発症しているケースです。
特にメスの金魚の場合、産卵の前後のタイミングで、卵巣に炎症が起こることが多く、それにより体内に水が溜まることで、浮き袋が圧迫され、転覆病を発症します。
感染症では無いため、薬による治療は見込めず、金魚の自然治癒力を信じるしかないため、「加温26度」と、「定期的な塩浴」が最善策となります。
メスの金魚は産卵の前後のタイミングで「卵巣に異常」が起こることがあります。
卵巣に異常が発生している金魚の特徴として、「腹部が大きく膨れる」ことが挙げられます。
産卵のタイミングで卵が溜まっているときも同様に膨らむため、見分けるのはプロでも難しいです。
ふき袋の以上の場合も同様に、原因の特定が難しいため「加温と塩浴」を行うことで、気長に回復を待つしかありません。
転覆病のまま何年も生きているといった事例も多く、飼育者の粘り強い、丁寧な飼育が求められます。
ここまでで紹介した原因を除くと、金魚の転覆病は、そのほとんどが「エサの消化不良」が原因で起こっています。
金魚の転覆病は「金魚の消化器が弱っている証拠」であり、多くの飼育者は「それでもエサを与え続ける」ことによって胃腸の負担が増し、前述した炎症や感染症に繋がっていきます。
外見に異常がなく、特に、エサを食べた後に発症している場合は間違いなく「エサの消化不良」が原因です。
消化不良は金魚の体調不良のバロメーターであり、転覆病は中度〜重度の消化不良の証であると捉えましょう。
金魚の転覆病の原因として最も多いのが「消化不良」です。
特に春先、梅雨頃のまだ雨の日や夜間は気温が16度くらいまで下がる時期に頻発します。
金魚は自分で体温の調整ができません。
水温=体温であるため、消化機能も水温に左右されます。
暖かい日中に食べ過ぎたエサを、気温が下がった夜間に消化しきれず、腸内にたまってしまうことで胃腸に障害が発生します。
気温差が激しい6月いっぱいまでは、エサはなるべく気温が上がる午前中にあげて、気温のさがる夜間には排泄が完了している状況にしましょう。
どれほど想定外の気温差でも、胃腸の中にエサがなければ消化不良はおきません。
金魚の転覆病を治療する上で最も重要なことは、「転覆の原因」を調べることです。
この記事でも紹介しているように、転覆病にはいろいろなパターンがあり、原因によって治療方法が異なります。
まずは落ち着いて、きちんと原因を特定することから始めましょう。
ここでは、金魚の転覆病の原因の見分け方を、転覆病を発見した直後からの時系列とともに記載しています。
転覆病の金魚の原因特定に、ぜひ参考にしてください。
金魚が転覆病になったら
少しでも転覆病の疑いがある場合は、必ずエサやりをストップしてください。
一週間ほど何も食べなくても、金魚は絶食に強いため、問題ありません。
ここで慌ててエサやりを継続すると、金魚の状態は確実に悪化します。
水温はできれば24度以上、低くても20度以上に設定しましょう。
寒い季節だけでなく、春や秋などの気温差が激しい季節でも、必ず観賞魚用のヒータを利用し、水温が一定になるようにしましょう。
転覆病の金魚にとって、低い水温と水温の変化は大きな負担になります。
濃度は0.3%~0.5%で調整しましょう。
塩浴には金魚の負担を軽減し、回復に専念させる効果があります。
塩浴に関してはこちらの記事で詳しく紹介しています。
ここで転覆病が回復すれば、原因は間違いなくエサの消化不良です。
消化不良であれば、適切な治療を行えば完治できることが多いです。
こちらに詳しく紹介しています。「金魚の転覆病とエサの消化不良について」
転覆病の原因として最も多いケースですので、必ず読んで記載の通り実施をしてください。
転覆病の回復が見られない場合、そのまま同じ対応を1週間ほど続けてください。
期間内によく起こる症状をまとめていますので、引き続き読み進めてください。
松かさ病を発症しています。
松かさ病は主に、内臓の疾患によっておこる病気です。
松かさの症状自体が病気というわけではなく、病原は内臓にあり、炎症によって発生した水が体内にたまり、鱗を内側から押し上げることで松かさのような見た目になっています。
治療方法として、
- 加温
- 塩浴
- 薬浴
- 薬エサ
これら4つの方法を同時に行うことが推奨されています。
松かさ病は完治が難しい病気ですが、治療方法は存在していますので、焦らずこちらの記事を確認してください。
浮き袋に異常が発生しています。
金魚だけでなく、水中で生活する魚は浮き袋と呼ばれる内臓器官を調整することで、浮いたり沈んだりするコントロールをしています。
浮き袋になんらかの異常が発生すると、このコントロールがうまくいかず、浮いたままや沈んだままになってしまいます。
いわゆるプカプカと風船のように浮いているパターンや、沈んだまま浮き上がれないパターンは、この浮き袋の異常であることが多いです。
浮き袋の異常の場合は、確立された治療方法はなく、金魚の負担を和らげてあげることしかできません。
具体的には、内臓に負担をかけないよう、原因の特定段階で行った加温(26度前後)と塩浴を行うことになります。
浮き袋の異常だと思っていたら、時間の経過とともに松かさ病を発症した、、、といったことも多いです。
発見から数週間は加温だけでなく、必ず塩浴も行い様子を見るようにしましょう。
2週間ほど経過しても浮いてしまうこと以外に変化がない場合は、普段通りエサやりを再開しましょう。
その際、スポイトで口元までエサを運ぶなど、きちんと金魚が食べられるように手助けをする必要があります。
浮き袋が原因の転覆病の場合、金魚はうまく泳ぐことが出来ないため、自力でエサを食べることが出来ません。
口元までエサを持っていく等、飼育者の介助が必要です。
浮き袋だけに異常がある場合は、エサやりさえきちんとできれば長生きすることが多いです。
温度変化には引き続き注意し、観賞魚用のヒーターを用いて一定に保つようにしましょう。
転覆病の金魚は、皮膚が水面に露出することで赤く炎症する場合もあります。
塩浴を行い、治療をしてあげるようにしましょう。
エサの消化不良が転覆病の原因の場合、治療としては3つの手順を踏むことで完治できる可能性が高まります。
- 一週間のエサ抜き
- 胃腸の調子を整える食生活
- エサの変更
詳細はこちら記事で具体的な実践形式まで記載をしています。
消化不良の治療に人気がある「クロレラ」や「純ココア」に関してもこちらに記載しています。
記事の内容の通りに実践すれば、高い確率で金魚の転覆病を完治させることができます。
金魚の転覆病の治療を行う上で、最も重要なポイントは「原因を正確に特定する」ことです。
外見や泳ぎ方、フンの状態から原因を特定するのは初心者の方には難しいかもしれません。
ですが、この記事に記載している手順で1つずつ金魚の状態を洗い出していけば、必ず原因にたどり着きます。
多くの転覆病は初期症状として、「消化不良」を発症しています。
浮き袋や、内臓の疾患の場合でも、消化不良により消化器官が炎症を起こしたり、抵抗力が著しく低下したことによって「二次的」に発症しているケースがほとんどです。
手遅れになる前に治療を行うには、「消化不良」を発症しているタイミングで適切な治療を行う必要があります。
実戦形式でまとめておりますので、今後の金魚飼育の参考にしてみてください。