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金魚水槽の白濁りの解消方法とバクテリアについて|ポイントは水換え!

金魚水槽の白濁りとバクテリア

金魚水槽の白濁りの解消方法とバクテリアの関係について、初心者にもわかりやすく紹介しています。

金魚の飼育をしている殆どの人が、ホームセンターやペットショップの金魚用品売り場に行ったことがあると思います。

そんな中、バクテリアや水質改善を謳う商品が非常に多いことに気づいた方も多いのではないでしょうか。

多くの人が、バクテリアは金魚の飼育に必要だと思い、市販のバクテリアを購入して使用していると思います。

そして買おうと思うきっかけの多くが「水槽の白濁り」ですよね。

ですがどうして金魚水槽の白濁りにとって、バクテリアが重要なのかを正確に理解している人は少ないと思います。

今回は、金魚の水槽の白濁りに悩んでいるあなたが、バクテリアの働きを理解して水をピカピカにするために必要なアクションと考え方を全てまとめています。

これを読んで実行すれば白濁りはなくなり、「必ず水はピカピカ」になります。

ぜひ、最後までご覧下さい。

この記事に関して

この記事では、記事内の写真の紹介に、インスタグラムの投稿をピックアップし、金魚の画像を閲覧できるようにしております。

また投稿の最後に、薬浴や塩浴に便利な濃度計算表(自動計算)へのリンクを掲載しています。

誰でも完璧な濃度で薬や塩の量の計算ができます。ぜひご利用ください。

金魚の水槽が白濁りする原因

ピッカピカの水槽に、新しい水を入れてトリートメントも完璧に済んだ金魚さんを投入!

毎朝起きたら餌をあげて、大好きな金魚との1日が始まる!ウキウキしますよね。

ですが多くの場合、そのまま3日ほど経つと、水槽の水がどんどん白く濁ってきます。

あまりにも白いので、大切な金魚のお顔がかすんで見えなくなることも。

金魚が体調を崩さないかも心配で、何より水槽の見た目が良くない!!、心配になって検索をして、、、。

あなたも、そうやってこのサイトにきていただいたと思います。

実は金魚の水槽が白濁りしてしまうのは、あなたのせいではありません。

どんなに飼育に慣れた人でも、水槽を新しく立ち上げてからしばらくは「必ず白濁り」します。

なぜなら、水槽の白濁りの原因は「まだ水槽内の微生物(バクテリア)がバランスを整えている途中段階だからです。

バランスが「壊れている」のではありません。

バランスを一生懸命「整えている」んです。

ですが世の中の多くのサイトや商品では、白濁りは「バクテリあのバランスが崩れていることが原因」と飼育者を煽り、

「白濁りといえば、バクテリア剤を投入だ!!!」という風にバクテリア剤を購入する方向に促しています。

では、白濁り対策として自信満々に販売されているバクテリア剤は、一体どういう液体なのでしょうか。

バクテリア剤の正体

今回は、記事の冒頭から、皆様の誤解を解いていこうと思います。

その誤解は何かというと「バクテリア剤にはバクテリアが入っている」という誤解です。

え??バクテリア剤にバクテリアが入っていないって、どういうことなの??

と思った方も多いと思います。

実は、多くの市販のバクテリア剤にはバクテリアは入っていません。

では何が入っているかというと、簡単にいうと「バクテリアの餌」が入っています。

特定のバクテリアを増やす上で有効な、餌を水槽内に投入することで、特定のバクテリアが増えやすい環境を作る。

これが、金魚だけでなく観賞魚ジャンル全般で販売されている「バクテリア剤」の正体です。

ここで察しが良い方はお気づきかもしれません。

バクテリア剤という餌を投入して、「バクテリアが増える」ということは、そもそも「バクテリア」は水槽内にいる、、、の???と。

実は、いるんです。

金魚の飼育に必要な種類のバクテリアは、金魚を水槽に投入した瞬間に、既に微量ですが揃っています。

それは、金魚そのものにくっついていたり、お迎えした時の水に少しだけ入っていたり、そもそも今あなたが息を吸ってる空気中に種が舞っていたり、、、。

わざわざ入れなくても、ちゃんと最初からいるんです。

じゃあ、金魚飼育に必要なバクテリアって、一体どういうバクテリアなんでしょうか。

金魚に必要なバクテリア

バクテリアとは、金魚の水槽内にいる微生物のことです。

一言にバクテリアと言っても、1つの水槽の中に、たくさんの種類が存在しています。

この中で金魚にとって有用であるとされ、よくホームセンターで販売されているのは、「金魚のフンや有機物を分解するタイプ」と、「アンモニアを分解するタイプ」バクテリア(の餌)です。

この種類のバクテリアは、金魚が日々排泄するフンや、餌の食べ残しを分解したり、金魚に有害なアンモニアを分解し、亜硝酸という比較的無害な物質に変えます。

市販されているバクテリア(の餌)は、アンモニアの分解能力に優れたものが多いです。

金魚水槽にいるバクテリアの種類

市販のバクテリア剤は、販売の性質上どうしても「特定の種類のバクテリアが好きな餌」にかたよっています。

では、金魚水槽にいるバクテリアにはどういう種類がいるのでしょうか。

ここではそれぞれ分解サイクルの順番に、働きとともに紹介していきます。

※とにかく簡単に、飼育に必要な知識として必要十分な内容にしています。

有機物を分解するバクテリア

まず登場するのが、有機物を分解するバクテリアです。

ここでいう有機物とは、金魚のフンや餌の食べ残し、枯れた水草などの物理的なゴミを指します。

これらのバクテリアは、有機物に付着し、粉々に分解していきます。

金魚のフンも、フィルター内では形がなくなりますが、それにはこの種類のバクテリアが活躍しています。

これらのバクテリアは分解の際、「アンモニア」を発生させます。

このアンモニアは金魚のフンや尿にも含まれており、金魚にとって非常に「有害」な物質です。

アンモニアを分解するバクテリア

次に登場するのが、アンモニアを分解するバクテリアです。

このバクテリアは、アンモニアを食べて亜硝酸という物質に変えます。

亜硝酸はアンモニアに比べると毒性は低いですが、まだまだ金魚や水生生物にとっては有害です。

亜硝酸を分解するバクテリア

亜硝酸も、バクテリアによって分解され硝酸塩という物質になります。

硝酸塩は蓄積しない限り毒性は低く、ここまで来れば比較的安全です。

発生した金魚のフンが、さまざまなバクテリアによって分解を重ねられていきます。

硝酸塩を分解するバクテリア

量は多くありませんが、亜硝酸を分解するバクテリアも存在します。

何に分解するのかというと、窒素です。

窒素は植物の3大栄養素の一つであり、水草の育成にも欠かせない成分です。

空気中にはもちろんのこと、水中にも存在しており、基本的には無毒な成分になります。

汚れである有機物が、さまざまなバクテリアによって分解され、最後には無害な窒素になります。

それぞれのバクテリアは循環のメカニズムの中で「バランス」を保って生きています。

特に、紹介した4種類のバクテリアのうち、前半の2つの種類のバランスが、水槽立ち上げのタイミングでは不安定になりやすく、それが原因で「分解に関係ないバクテリア(無害)」が大量に繁殖した結果、白濁りが発生します。

では、白濁りの解決に市販のバクテリア剤は必要なのでしょうか。

白濁りの解消にバクテリア剤は必要か

結論からお伝えすると、金魚の白濁りの解消に、バクテリア剤は必要ありません。

それどころか、よほどピンポイントでバクテリア剤によって増えるバクテリアが、

水槽内に足りていないバクテリアでない限り、白濁りをより促進する可能性も秘めています。

現在金魚の水槽で白濁りが起きていて、それがどの種類のバクテリアが少ないことで起こっているのかを正確に判断できる人は、ほとんどいないはずです。

もちろん、私もわかりません。

加えて冒頭でお伝えしたように、市販の「バクテリア剤」は「バクテリアの餌」です。

増やしたいバクテリア以外のバクテリアを増やしてしまう可能性も高く、本来であれば適切に使用するのは非常に難しいのです。

金魚水槽の白濁りを解消する方法

それでは、金魚の水槽の白濁りを解消するためには、一体どうすればいいのでしょうか。

答えはとても簡単です。

「水槽の白濁りが発生したら、そのまま放置する」だけです。

白濁りは、バクテリア同士がそれぞれの量のバランスをとろうと調整することで発生します。

あっちが増えたり、こっちが減ったり、を繰り返している状態です。

この調整中のタイミングでバクテリア剤を投入してしまうと、さらに事態は混乱します。

白濁りは、水槽内のバクテリアたちが活発に動き始めた合図です。

焦らず、どっしりと腰を据えて水槽のバクテリア循環が完成するのを楽しみましょう。

既にバクテリア剤を投入してしまった方は、以後は投入しないようにしてください。

フィルターや水槽内に発生するバクテリアのバランスが整ったタイミングで、次第に水は透明になっていきます。

金魚飼育におすすめの水がピカピカになるフィルターはこちらにまとめています。

白濁りが解消するまでの注意点

白濁りが解消するまで、「放置する」と紹介しましたが、放置している期間の注意点が存在します。

これさえ守れば、必ず白濁りは解消します。

これらの注意点は白濁りを解消しながら「金魚の健康も守る」ために重要な内容です。

簡単な内容ですので必ず守るようにしてください。

白濁りが解消するまでに注意すること
  • 最低週に2回は1/3〜1/2の量の水換えを行うこと
  • 餌の量を少なめにすること

水換えを行う

白濁りが発生している水槽では、各種バクテリアの量が増減しながらものすごいスピードで調整が行われています。

バクテリアの量も、種類によって急激に増減しているため、どうしても水質が不安定になりやすいです。

具体的には、フンがあまり分解されなかったり、アンモニアが亜硝酸に変換されづらく、蓄積してしまったりが挙げられます。

これらは周期的に調整され、最終的には最適なバランスに落ち着くのですが、その過程では「水換え」によって金魚への害を減らす必要があります。

白濁りが起こって金魚が病気になるのは多くの場合、調整期間中の水換えが足りておらず、有害物質が溜まってしまうバランスのタイミングで金魚が負担を感じているからです。

水質が安定し、水がピカピカになるまでは必ず「最低でも週に2回以上」はしっかりと水換えを行うようにしてください。

このとき、金魚のフィルターに関しては「週に1回ゴミを流す」程度にし、あまりゴシゴシと洗わないようにしましょう。

餌の量を減らす

金魚の水槽が白濁りし出したら、餌の量をできるだけ減らすようにしましょう。

金魚が元気であれば、もちろん餌は抜かずに与えて良いのですが、調整中の局面ですので、その分有害物質が溜まりやすい傾向にあります。

早く餌をたっぷりあげたい気持ちをグッと堪えて、必要最低限(1日1回、数粒)くらいに留めるようにしてください。

こうすることで水質の変化による金魚への負担のリスクを最小限にしたまま、各種バクテリアの調整期間を乗り越えることができます。

水換えとバクテリアの誤解

よく、「水換えをするとバクテリアが減って水質が崩れる」という意見をネット上で発信してる方がいますが、これは大きな間違いです。

確かり水換えをするとバクテリアは減ります。

ですが、同時に古い(有機物の多い)水を捨てることにより、バクテリアの餌の量も減ります。

つまり、バクテリアの量とバクテリアの餌の量のバランスは全く崩れません。

むしろ金魚ほど排泄物の多い観賞魚は世界中を探しても珍しく、水換えをせずに、バクテリアの力だけで水質を保つのは「無理」があります。

水換えをしても、水槽内のバクテリアのバランスは全く崩れません。

むしろ、植物の植え替えと同じで、新しい新鮮な水を補充したほうが既存の良いバクテリアの活動も活発になります。

何より金魚は、人としか暮らせない魚であり、人が飲んできた水で飼われてきたので、新鮮な水が大好きです。

水換えとバクテリアの減少は全く別の話ですので、決して間違えないようにしてください。

金魚と水に関してはバクテリア剤に続いて誤解が多く、こちらに詳しくまとめました。

ぜひ普段の飼育の参考にして下さい。

白濁りは水換えと時間で解消!

金魚の水槽の白濁りは、たくさんのバクテリアたちがその水槽に適したバランスを調整している合図です。

白濁りは決して悪いことではなく、飼っている金魚にとって最適な水が形成される第一歩ですので、

焦らず、バクテリア剤で混乱させずに、水換えを淡々と行うことで乗り切りましょう。

水がどのくらい透明になるかどうかは、使用するフィルターによって大きく左右されます。

当サイトではほぼ全てのタイプのフィルターを金魚飼育に使用してきた経験から、各種バクテリアの定着に特化した最適なフィルターの組み合わせを紹介しています。

本連載の内容を守りつつ実践すれば、誰でも水をピカピカにできます。

ぜひ、参考にしてみてください。

注釈:バクテリア剤に関して

※文章の中では読者の皆様にできるだけわかりやすく紹介するために、バクテリア剤はバクテリアの餌だと表現をしています。

実際には、生きたバクテリア(休眠中の)が含まれている製品も販売されています。

ですが、それも白濁りを解決するために「バランスを整える」という観点からは、餌と同じく「必要ない(むしろ邪魔をする)」ことが多いのが実態です。

よほど適切なバクテリアバランスの状態で、適切な種類の生きたバクテリアを投入しない限り、「バランスをさらに混乱させるだけ」ですので、基本的にはバクテリア剤は使用しないことをおすすめします。

ピカピカの水を作りましょう

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