金魚の病気の治療薬、「観パラD」の計量がすぐにできる計算表です。
金魚だけでなく、メダカや熱帯魚など、観パラDが使用できる色々なお魚に活用できます。
金魚の薬浴を行う時に毎回お使いいただけるよう、全ての薬が自動計算できる金魚の薬|濃度計算表(まとめ)へのリンクを添付しています。ブックマークしてお使いください。
観パラD
成分(10ml中)
- オキソリン酸:50mg
- 水酸化ナトリウム:7.7mg
- 精製水:適量
おすすめの購入量
- 液体ボトル:10ml キャップ1杯:2ml
- 液体ボトル:30ml キャップ1杯:6mL
- 液体ボトル:100ml キャップ1杯:20mL
- 液体ボトル:500ml キャップ1杯:10mL
液体タイプの薬ですので、容量はどれを選んでも問題ありません。
ですが、薬は開封後に必ず劣化が始まるため、できるだけ短期間で使い切れる量を購入することをおすすめします。
10mlだと薬浴中の水換えも考慮すると、隔離水槽のサイズによっては足りない可能性があります。
1年間に数回の使用を考慮して、おすすめの容量は30mlになります。
観パラDの使用方法
液体タイプの薬は粉タイプの薬とは異なり、「液量」を正確に量りとることができる「ピペット(PIPETTE)」で初めから計量するのがベストです。
100円均一のダイソーでも、化粧品コーナーで販売されています。
ですが、近くに100円均一がないという方や、金魚の病状が悪化しており,一刻を争う場合はキャップで計量することも可能です。
そのような緊急時には、薬浴用の水槽(トリートメントタンク)や容器に入れる水の量を正確に計量することで、対処することができます。
観パラDのサイズ | 水の量 | 観パラD(観パラD水溶液)の投入量 |
10mlボトル(キャップ1杯:2ml) | 20ℓ | キャップ1杯(2ml)の原液をそのまま投入 |
10ℓ | キャップ1杯(2ml)を100mlの水に溶かし、その半分(約50ml) | |
30mlボトル(キャップ1杯:6ml) | 60ℓ | キャップ1杯(6ml)の原液をそのまま投入 |
30ℓ | キャップ1杯(6ml)を100mlの水に溶かし、その半分(約50ml) | |
15ℓ | キャップ1杯(6ml)を100mlの水に溶かし、その1/4(約25ml) |
観パラDは「穴あき病」の特効薬です。
同様の効果がある薬にグリーンFゴールドリキッドがあります。
穴あき病は非常に進行が早い病気であることから、治療には一刻の猶予を争います。
ピペットで計量を行うよりも精度は落ちますが、こちらの「水の量」を正確に計量する方法でも、十分に金魚を病気から回復させることができます。
100mlサイズ以上の観パラDが手元にある方は、キャップでの計量は量が多すぎて困難であるため、急いでピペットを手に入れるようにしましょう。
手元にピペットがある方は、以下の計算表を利用してください。
【計算表に関して】
観パラDを購入し、1ml(0.5mlが望ましい)単位での計量が可能なピペットがある状態で、薬浴用水槽のサイズ・水量に対して何ml投入すればいいのかを自動計算します。
※販売元である日本動物薬品株式会社提供の観パラD利用方法に従い、本計算表では水量60Lに対して6mlの濃度を規定
※推奨薬浴期間:7日〜14日間
観パラD自動計算表
水槽のサイズを入力
トリートメントタンクの水量を入力
薬浴の手順と期間
薬浴手順
薬浴の基本は「隔離」です。調子が悪い金魚を隔離するためのスペースを必ず用意しましょう。
スペースは10ℓ以上のバケツや、大きめのプラケースで問題ありません。
観パラDはそのままでは濃度が高く、数リットル〜数十リットルの水量での薬浴には不向きです。
初めに水に溶かし、水溶液にしてから、本計算表を使って正確に計量することをおすすめします。具体的な方法はこちら。
同時に塩浴もおすすめ
観パラDの薬浴と同時に、塩浴を行うことをおすすめします。
塩浴には直接的な殺菌効果はありませんが、金魚の自然治癒力をサポートする効果があります。
観パラDが頻繁に利用される穴あき病では、金魚の皮膚が溶け、組織が露出している状態になります。
塩浴には傷口をケアする効果も期待できるため、必ず行うようにしましょう。
0.2%〜0.5%の分量を計算表で計算し、観パラDが入ったトリートメントタンクに少量ずつに分けて投入してください。
この時、金魚を先に移動してから塩を投入していくことをおすすめします。
塩浴は金魚にとって心地いいものですが、急激に塩分濃度が上昇するのは良くありません。
1日〜2日ほど時間をかけて、少しずつ濃度を上げていきましょう。
詳しい塩浴の方法に関してはこちら
薬浴の期間
薬浴開始後、3日目くらいまでは病状が悪化する場合があります。
病状の悪化がストップしてから回復に向かうため、様子を注意深く観察しましょう。
観パラDで治療できる多くの病気の悪化がストップしているはずです。
悪化がストップしたら、水を1/2換え、同じ濃度の塩水を追加しましょう。
半分の水量に必要な塩の量を計算表で計算し、溶かしておけばOKです。
徐々に塩浴にシフトしていきます。
ほとんどのケースで金魚は回復を始めているはずです。
穴あき病の場合は、傷口が塞がってきている状況だと思います。(鱗はまだ再生していません)
この時点で薬浴を終了し、本水槽に戻すために塩浴の濃度を下げていきましょう。
具体的には、このタイミングで1/2の水換えを行います。これで塩分濃度は1/2になります。
塩分濃度を下げるため、再度1/2の水換えを行います。
これで塩分濃度は1/4になり、水合わせを行えば十分本水槽に戻せる状態になります。
病気の再発が起こっていないことを確認し、金魚を本水槽に戻しましょう。
この時、水合わせはできるだけ丁寧に行うようにしてください。移動の際の水合わせの方法はこちらにまとめています。
薬浴の注意点
薬浴を行う際の注意点を紹介しています。
計算表を使ってどれだけ正確に観パラD水溶液の量を計量しても、注意点を守らなければ、治療は高い確率で失敗します。
観パラD以外の薬でも同じ、薬浴における基本的な注意点ですので、絶対に守るようにしてください。
餌は抜く
薬浴の際は「餌は絶対に抜く」ようにしましょう。
どんなに金魚が食べたい仕草をしていても、決してあげてはいけません。
病気になるまでの飼育が適切であれば、金魚は絶食には非常に強い魚であるため、2週間ほどの絶食ではびくともしません。
体調が悪そうに見えるのは餌をあげていないからではなく、病気が原因です。
中途半端に餌を与えると、トリートメントタンクの水質が悪化し、効く薬も効かなくなってしまいます。
薬浴中は「餌は何があっても与えない」が基本です。
濾過フィルターは使わない
薬浴中、濾過フィルターは設置しません。
濾過フィルターには薬の成分を吸収してしまう危険があるためです。
濾過フィルターではなく、エアーストーンを設置して酸素の供給を行いましょう。
必ず薬浴専用の場所を用意する
薬浴を行う際は「隔離」が基本です。
観パラDは金魚の体内の悪い細菌だけでなく、水槽内の良い細菌(バクテリア)も殺菌します。
水槽をリセットする目的であればそれで良いですが、多くの場合は健康な金魚が本水槽にいると思います。
病気の金魚の多くは、健康な金魚よりも弱っており、動きも鈍くなっています。
薬浴は必ず病気の金魚を隔離し、治療に専念してもらいましょう。
本記事では隔離用の水槽を「トリートメントタンク」と呼んでいます。
大切な基礎知識
観パラDでの治療を進める上で、オススメの記事をまとめています。
治療を安全に実施する上で、とても重要な知識とスキルが記載されています。
一通り目を通してから観パラDでの薬浴を実施するようにしましょう。
- 金魚の病気のサインに関してはこちら「金魚の病気のサインに関して」
- 金魚の薬浴の基本に関してはこちら「金魚の薬浴の方法と注意点」
- 金魚の塩浴の基本に関してはこちら「金魚の塩浴の方法と注意点」
- 金魚の薬と効果のある病気に関してはこちら「金魚の薬の種類に関して」
- 金魚の病気と効果のある薬に関してはこちら「金魚の病気の種類に関して」
- 金魚のお迎えとトリートメントに関してはこちら「金魚のトリートメントの方法と重要性について」
- 基本的な金魚の薬の量り方に関してはこちら「金魚の薬の正しい計り方について」